原文入力:2010-10-04午前08:20:49(2028字)
外食費・加工食品 直撃弾‘9月物価’韓銀もびっくり
アグフレーション再燃 憂慮
チョン・ヒョクチュン記者
白菜など野菜価格急騰で始まった物価上昇勢が他の部門へ波及するという不安心理が大きくなっている。農産物価格上昇は加工食品価格と外食費用の上昇につながり、体感物価に直接的な影響を及ぼし これはインフレーション期待心理を刺激しかねないためだ。これに伴い、2008年末の小麦粉価格急騰が全体物価を引き上げたアグフレーション(Agflation・穀物価格上昇による物価上昇)が再現するのではないかという憂慮も出てきている。
会社員たちの昼食価格が白菜価格急騰の直撃弾を受けている。キムチチゲ、ポッサム、ムグンジ食堂は、1人分価格を1000ウォンずつ上げている。カルグクス・三枚肉など、キムチをおかずに出す食堂では追加おかず注文に料金を受け取ったり、高騰した白菜価格を反映して価格を引き上げる店も生じている。テサン・プルムワンなどは先週、大型マートに公文書を送り今週から包装キムチ価格を最高26.4%値上げすると通知した。
加えて公共料金引上げと国際原材料価格上昇も物価騰勢を煽っている。去る8月に電気料金、9月にはガス料金が上がったうえ、今月から液化石油ガス(LPG)価格も上がった。2年間凍結した公務員給与が来年5.1%上がり賃金引上圧力とこれにともなう物価上昇圧力もより一層大きくなる展望だ。李明博大統領は2008年4月、庶民生活と密接な52ヶ生活必需品価格を積極的に管理するとし、いわゆる‘MB物価指数’まで作ったが、こういう約束が見るべきものがなくなっている状況だ。
オイル価格も不安な状況だ。1日(現地時間)ニューヨーク商品取引所で11月渡し西部テキサス産原油(WTI)は前日終値より1.61ドル(2.0%)上がったバレル当81.58ドルで取り引きされており、一週間に6.7%上がった。週間上昇率としては去る2月第3週以後の最高値だ。年末に近づくほど暖房油需要が増え、原油価格騰勢は続く展望だ。原材料価格の上昇は工産品の価格上昇につながる。ただし、小麦価格はシカゴ商品取引所で9月に5%下がった。
企画財政部は先月、消費者物価急騰を異常気温などにともなう一時的な供給不足現象として説明した。だが、消費者が皮膚で感じる体感物価は傾向的に上がっている。例えば、白菜価格の場合、毎年3月基準で2007年の１株当たり1200ウォンから2008年1950ウォン、2009年2500ウォンに続き、今年3月には4270ウォンを軽く越えた後、9月には1万5000ウォンまで噴き上がった。
ソン・ウン韓国銀行物価分析チーム長は「異常気候のせいで農産物供給不足で物価が上がっていたとしても、時間が経つほどに需要要因と供給要因の区別は無意味になる」とし「体感物価に最も直接的に影響を与え、インフレーション期待心理を刺激し加工食品とサービス料金などに価格騰勢が広がるため」と話した。インフレ期待心理が大きくなれば経済主導者が物価が傾向的に上がると判断し価額上昇や仮需要に出るなど、物価上昇をさらに煽りかねない。韓国銀行は最近の農産物価格急騰が個人サービス料金の引上げに広がることを憂慮している。
政府は秋夕(チュソク)以前、主要農産物需給対策などを含む物価安定総合対策を出した。だが、物価騰勢を防ぐには力不足で、むしろ物価不安心理を加重させている。
当分インフレーション憂慮がないという物価当局の分析とは違い、消費者物価は先月 韓銀の中期物価安定目標値の3%線をはるかに越える3.6%を記録した。韓銀は自らのモニタリング結果、先月消費者物価上昇率が3%序盤に留まると予想した。だが、これを遥かに越えた数値が出てきて内心驚いている表情だ。
専門家たちは韓国銀行が先月、市場の引上げ予想に反して基準金利を凍結し、物価不安に先制的に対処できなかったという批判を提起している。これに伴い、14日に開かれる韓銀金融通貨委員会での基準金利引き上げ有無が注目されている。物価急騰傾向により基準金利引き上げ要因が大きくなったが、基準金利を上げる場合、外国資本の流入誘引が大きくなりウォン為替切下げ速度が速くなりえるという点が通貨当局のジレンマだ。
チョン・ソンイン弘益大教授(経済学)は「物価上昇勢は庶民の景気感触を悪化させ、消費不振につながるなど我が国経済に悪影響を与える」とし「基準金利引き上げなど当局の先制的対応が必要だ」と話した。 チョン・ヒョクチュン記者 june＠hani.co.kr
原文: 訳J.S
