「尹錫悦(ユン・ソクヨル)罷免」以後、政局の不確実性は緩和されたが、韓国の対外信任度指標は依然として不安な流れを見せている。米国による関税ショックが米中貿易戦争に拡大し、韓国の信用リスクが高まっている。
6日、ソウル国際金融センターによると、4日(現地時間)の米ニューヨーク市場での韓国国債5年物のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは46bp(ベーシスポイント、1bpは0.01%)で、前日より6bp高騰した。2023年4月(46.7bp)以来2年ぶりの最高値であり、非常戒厳宣布直後(昨年12月4日35.8bp)や大統領弾劾案の国会可決直前(12月13日40.3bp)よりも高い。CDSは、債券発行国が不渡りになった場合に元金を返してもらえる金融派生商品であり、その国の信用危険度と密接に関係する。
憲法裁判所の弾劾審判宣告以降も国家信用危険度はさらに大きく上がったということだが、これは、政治の不確実性が緩和され信用リスクが下方安定化するだろうという市場の予想とは異なる流れだ。米国による相互関税に中国が報復関税で対抗を発表し、グローバル金融市場がパニックに陥った影響が反映されたと分析される。国際金融センターは「米中貿易戦争と景気低迷への憂慮、中国の国家信用等級下落などの影響で米中両国への依存度が高い韓国市場に対する警戒感が大きくなったとみられる」と説明した。
ウォン相場も、憲法裁の宣告や関税ショックを反映し、半日のうちに大きく上下した。ソウル外国為替市場でドルに対するウォン相場は、弾劾宣告当日(4日)の日中取引で32.9ウォン高(1434.10ウォン)を記録した。弾劾政局の不確実性が解消されたという期待とドル安の影響などで、ウォンの対ドル価値が2年5カ月ぶりに最も大きく上昇した。しかし、同日夕方に中国の対ドル関税が発表されると、対ドルウォン相場は夜間取引で直ちに26.9ウォン安(1461.00ウォン)となった。
海外投資家の間では、韓国の政治不確実性が緩和されても、関税リスクが韓国経済と金融市場を圧迫するだろうという見解が多い。グローバルリサーチ企業のキャピタルエコノミクスは「憲法裁の宣告以後、不確実性が減り財政政策が強化されるだろうが、輸出と成長に対する憂慮を相殺できるかは疑問」だと診断した。テシン証券のイ・ギョンミン研究員は「関税ショックで危険資産回避心理が極大化され、外国人のウォン資産に対する投資心理が不安な流れ」だとし「6月の早期大統領選挙以後、不確実性解消と共にウォン高の流れが出てくるならば外国人の見解と需給が変わりうる」との見通しを示した。