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韓国全経連「企業のESGリスク、韓国と中国が欧州より高い」

登録:2021-08-23 06:23 修正:2021-08-26 07:44
世界の3456社を分析…「環境・社会リスクを定型化し、備えるべき」
国別のESG関連リスク=全国経済人連合=//ハンギョレ新聞社

 韓国や中国、香港、インドなどアジア企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)関連リスクが欧州企業より大きいという調査結果が出た。

 全国経済人連合会(全経連)は22日、このリスクが企業の財務価値に及ぼす影響を測定・評価するサステナリティクス(Sustainalytics)のサイトに公開された、世界3456の企業を分析した報告書「グローバル企業のESGリスクマップ」を発表した。企業が「管理できない」(unmanaged)ESGリスクが企業の財務価値に与える影響を数値に換算した内容だ。10点以下はリスクが「極めて低い」、10~20点は「低い」、20~30点は「標準」、30~40点は「高い」、40点以上は「深刻」という意味を示す。

 同報告書によると、世界の主な証券取引所のうち、上場企業のESGリスク点数が最も高い市場は、上海証券取引所の36.1だった。深セン(32.9)や香港(30.5)、韓国(30.1)もかなり高かった。リスクの低い市場はパリ(20.6)、ロンドン(21.6)、米国(ナスダック、22.1)、台湾(22.4)だった。

 業種別分析でリスクの高い分野は金属、鉄鋼、非鉄金属、オイル・ガス、宇宙航空・防衛産業の順だった。低い業種は繊維・衣類、運送インフラ、メディア、包装、小売業だった。

 韓国企業のうち、リスクの低い企業はサムスン電気(15.0)、韓国タイヤアンドテクノロジー(15.4)、現代モービス(16.0)、CJ大韓通運(16.1)、NCソフト(16.8)、ハンオンシステム(17.1)、現代グロービス(17.3)、CJ ENM(17.6)、ネイバー(17.7)の順だった。

 全3456社のうちリスクが高い上位5社は北方希土ハイテク(中国)、東京電力、内蒙古包鋼鋼聯、紫金鉱業集団など中国と日本の企業だった。上位20社は中国14社、カナダ2社、日本・メキシコ・オーストラリア・米国が各1社だった。これらの企業は共通してこの3年間で社会的事件・事故を意味する「コントロバーシー」でレベル5に分類された。今年初めに福島第一原発に保管している汚染水の海洋放出を決定した東京電力と、2017年に1億3千万人の個人情報を流出させたエキファックス(Equifax)が代表的な事例だ。

 全経連は事件・事故の影響度も重要だが、企業別のリスク対応水準が異なる場合、格付けに差が生じると伝えた。全経連の関係者は「ESGリスクイシューを事前に定型化して発生確率を下げ、リスク発生時には直ちに対応できるプロセスやガバナンスの要素を備えなければならない」と助言した。

キム・ヨンベ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1008621.html韓国語原文入力:2021-08-22 16:02
訳H.J

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