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米大統領選挙、誰が当選しても韓国経済の不確実性高まる

登録:2020-10-27 06:20 修正:2020-10-27 09:03
韓国の研究機関、米大統領選挙の影響を予想 
 
第2期トランプ政権誕生の場合、バリューチェーンの急激な変化は必至 
WTO脱退など保護主義の強化を予告 
 
バイデン政権誕生の場合、関税戦争が緩和する可能性も 
多国間主義の実行過程で時間を稼げる余地も
ドナルド・トランプ米大統領(右)とジョー・バイデン前副大統領/ロイター・聯合ニュース

 米大統領選挙が1週間後に迫り、選挙の結果が韓国経済にどのような影響を及ぼすかに関心が高まっている。共和党のドナルド・トランプ大統領が再選した場合、米中貿易対立が続き、韓国の通商環境の不確実性が高まる見通しだ。民主党のジョー・バイデン候補が当選した場合は、環境規制がさらに強化されると見られ、これに対する対応が必要だ。

 26日、国内の官・民研究機関の見通しを総合すると、米大統領選挙で誰が当選しても米国と中国の対立関係は続くものと予想される。バイデン候補もトランプ大統領同様、中国の浮上が自国の安保に脅威になると見て、中国の不公正な貿易慣行を正すべきだという基本認識を持っている。韓国の立場では誰が当選しても通商環境の不確実性が高まるわけだ。

 実行方式においては、トランプ候補が米国優先主義の政策を展開する一方、バイデン候補は同盟国と協力を強調する多国間主義を掲げる。韓国貿易協会は「バイデン対トランプ、通商公約の比較と示唆点」という題の報告書で、「バイデン政権はトランプ政権の“米国対中国”の対決を“米国と同盟国対中国”の構図にすることで、貿易紛争の戦線を拡大するだろう」と見通した。

 トランプ候補は中国への関税賦課と、5G技術の標準化をめぐる戦いの一環として、華為技術(ファーウェイ)への輸出禁止政策を続けるものとみられる。バイデン候補は、トランプ候補が脱退した環太平洋パートナー協定(TPP)に再び加入する可能性がある。韓国開発研究院(KDI)のソン・ヨングァン研究委員はハンギョレの電話インタビューで、「輸出で中国依存度が高い韓国の立場では、誰が当選しても北東アジア地域のグローバルバリューチェーンの変化は避けられない」とし、「ただし、その速度が問題だが、多国間主義や国際規範の順守を掲げるバイデン政権が発足した場合、変化に備える時間を稼げるだろう」と分析した。

 トランプ候補は既存の保護貿易主義、自国優先主義政策を維持・強化するものと予想される。産業研究院は、報告書「2020年の米大統領選挙の展望と韓国の通商環境に及ぼす影響」で、トランプ大統領が2期目には世界貿易機関(WTO)からの脱退や通商法301条(不公正貿易報復条項)、通商拡大法232条(通商安全保障のために輸入量の制限や高率の関税を賦課)などを活用し、保護貿易主義を強化する可能性があると見通した。ただし、各国がトランプ政権の交渉戦略をすでに把握しているだけに、韓国経済に与える衝撃は就任初期よりは大きくないだろうと予想した。

 現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「バイデン政権が発足すれば、米中関税戦争が和らぐ可能性があり、トランプ政権の強硬な対応よりは低い水準で均衡点を形成するだろう」とし、「バイデン候補の多国間主義が韓国に有利に働くだろう」と述べた。

 バイデン候補はエコ政策を強調し、2025年までに二酸化炭素を排出するエネルギー使用量による税金(炭素調整税)を課すと公言したため、貿易協定に労働・環境基準を強化する条項が含まれる可能性がある。これは気候変動への対応が遅い韓国にとっては負担になりうる。韓国開発研究院のチョン・ギュチョル経済展望室長は「大きな政府を追求する民主党の伝統的な政策基調を考えると、企業の規制強化が韓国の輸出には否定的な影響を与える側面がある」と指摘した。

イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/967347.html韓国語原文入力:2020-10-27 04:59
訳H.J

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