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サムスン電子、米5G市場へ進出…ベライゾンに66億ドルの装備供給

登録:2020-09-07 20:54 修正:2020-09-08 07:54
世界筆頭通信事業者と契約「グローバル市場の足場に」 
ファーウェイの空きを埋める有利なレファレンス追加 
韓国国内の単一通信輸出契約としては最大 
5年間にわたり5G装備・ネットワークソリューションを提供
グラフィック_キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 中国の華為(ファーウェイ)に対し米国政府が制裁を強化している状況で、サムスン電子が米国の通信市場で韓国企業としては最大規模の通信装備供給契約を獲得した。サムスン電子が世界の5世代(5G)通信装備市場の支配力を育てる足場をつくったと評価されている。

 サムスン電子は7日午前、「ベライゾンと7兆9000億ウォン(66億4000万ドル)規模のネットワーク装備の長期供給契約を結んだ」と発表した。ベライゾンは米国1位の通信事業者であり、世界の移動通信売上1位の事業者だ。サムスン電子がベライゾンに2025年12月まで5年半にわたり5G通信装備を含むネットワーク・ソリューションを供給し、設置・維持・保守を引き受けるのが契約の主な骨格だ。韓国の通信装備供給では史上最大規模の単一輸出契約と評価される。

 サムスン電子は今回の契約で、世界最大の移動通信市場であり世界基地局投資の20~25%を占める米国市場で、主要装備の供給業者として認められ、今後グローバル通信装備市場のシェアを拡大できる足場をつくった。セキュリティ上の脅威を理由にファーウェイを排除した米国の通信装備市場で、1位事業者の技術・セキュリティ検証を通過した今回の契約は、5Gネットワークの構築を推進する各国の市場でサムスンがファーウェイの代案になるとの期待を生んでいる。

 約30年前に通信装備市場に進出したサムスン電子は、2009年から5G技術と装備開発に参入し技術基準を主導してきたが、今年第1四半期現在のグローバル市場シェアは13.2%で、世界4位にとどまっている。通信網の構築は、単一部品だけでなく既存のネットワークとの連係性、技術支援、安定性など複合的通信運用能力が考慮され、豊富な構築事例が十分でないサムスン電子としては容易に獲得できる市場環境ではなかった。グローバル通信装備市場の80%近くを、ファーウェイ、エリクソン、ノキアの“トップ3”が寡占してきたのもそのためだ。韓国国内でLGU+が物議をかもしながらも一部地域の5G装備にファーウェイ製品を使ったのも、当該地域の4G(LTE)ネットワークをファーウェイの装備で構築したことが主な理由だった。

 だが、そうした市場構造は米国による中国制裁の本格化で揺れている。英国、カナダ、インド、オーストラリアなどが相次いで5Gネットワーク投資からファーウェイを排除する方針を明らかにした。今回の契約について、サムスン電子がグローバル市場で今後大きくなるファーウェイの空きを埋められる有利なレファレンスを追加したという評価が出てくるのは、そのような背景からだ。

 サムスン電子は、2018年から米国のスプリントを皮切りに、ベライゾン、AT&Tへと5G装備供給先を徐々に拡大し、今年に入っては日本(KDDI)、カナダ(テルロス)、ニュージーランド(スパーク)など各国に構築事例を広げつつある。特に今回のベライゾンへの供給は、これまでの事例とは異なり、ネットワーク構築・維持・保守を含む大規模な長期契約であるため注目される。ハイ投資証券のアナリストのイ・スンウン氏は「ベライゾンとの大規模契約により、サムスン電子は目標どおりグローバル5G通信装備市場で主要事業者としてシェアを高めると期待される」と評価した。

 サムスン電子の関係者は「5Gネットワーク装備は、韓国国内の中小部品会社86社と協力して製造している。サムスン電子の受注が拡大するほど、韓国の中小企業の売上拡大と雇用創出に貢献すると予想する」と話した。5G装備の国産化率は40~60%の水準だ。

ク・ボングォン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/961119.html韓国語原文入力:2020-09-07 18:33
訳J.S

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