世界保健機構(WHO)傘下の国際癌研究所(IARC)がハム、ソーセージ、牛肉ビーフジャーキーなどの加工肉と赤肉を発ガン物質に分類した後、消費者の間で混乱が広がっている。同研究所も、肉類摂取量をどの程度まで減らすべきか具体策を提示していない。韓国での1人当りのハム・ソーセージの消費量は、研究所が大腸癌誘発率を高めると警告したレベルの4分の1に過ぎないことが明らかになった。
国際癌研究所は26日、ハム・ソーセージをはじめとする加工肉を人体に癌をもたらす「1群(Group 1)発ガン物質」に、赤肉を発癌の可能性が「2群(Group 2A)発ガン物質」に分類した。これは10カ国から22人の専門家が800件以上の研究した結果を検討し、これら品目が大腸癌を誘発した証拠があると結論を下したことによる。同研究所は毎日50グラムの加工肉を摂取すると大腸癌発病確率が18%増えるとした。
消費者と業界は困惑している。主婦のキム・ジヨンさん(35)は「子供たちが好きなのでハムをたくさん食べさせているので驚いた。牛肉や豚肉なども発ガン物質なら、肉料理を諦めなくてはならないのか分からなくなる」と話した。ある加工肉生産業者の広報担当者は「加工肉の売り上げが打撃を受けるのではないか」と心配した。韓国肉加工協会は27日に報道資料を出し、「毎日加工肉を50グラムを摂取した場合、年間18.3キログラムの分量になるが、これは韓国人1人当りのハム・ソーセージの年間消費量4.4キログラムの4倍以上になる」と明らかにした。
国際癌研究所が特定物質を発ガン物質を1群と2群に分類するのは、その物質と人体の癌発生の関連性がどれほど立証されているかに基づく。発表に関連して出された質疑応答資料(Q&A)によると「発ガン物質の分類は物質や薬品が癌を誘発する証拠の明確性を現わす。これは癌発生の危険尺度を現わすものではない」としている。等級分類はどれほど危険なのかではなく、研究結果の関連性がどれほど立証されているかを示している。例えば、同じ1群の発ガン物質にはたばこや酒、核物質のプルトニウムなどもあるが、加工肉がそれらと同じように危険だという意味ではない。特定物質が人体に癌を誘発するという確実な証拠がある場合は1群に属し、確実ではないがある程度立証されれば2群に含まれる。
では肉類摂取は止めなくてはならないのか。国際癌研究所は肉類摂取について「多くの国の保健機構で心臓疾患などを誘発する加工肉と赤肉摂取を制限を助言している」としたが、「研究結果で安全な肉類摂取量が存在するのか結論を下せなかった」と明らかにした。
韓国語原文入力:2015-10-27 21:17