7日ソウル三成洞(サムソンドン)のある飲食店で行われた記者懇談会で、セルジオ・ホーシャ韓国GM社長は両手で放物線を描いて見せた。GMが大宇自動車を買収した当時(2002年)と10年余が過ぎた現在の韓国GMの競争力を比較すればという質問に対する返事で出た行動だ。 韓国GMの競争力が最近数年間に下降しているという意味だ。
隣に立っていたアンクシ・オーロラ副社長は更に具体的に説明した。 「品質競争力と原価競争力が相まっている時に持続可能性を確保できる。 先進国は品質競争力は先んじているが原価競争力が劣り、後進国はその反対だ。 この二つの価値が均衡を取るようにするのが我が(韓国GM経営陣)の任務だ。」韓国GMの原価競争力が顕著に下がっているという説明だ。
韓国GMが全方向的な構造調整に入る準備をしている。 最近1ヶ月間、記者懇談会を3回も開き金属労組韓国GM支部との協議も相次ぎ開催している。 構造調整案を確定するのに先立ち、世論を点検して労組との理解の幅を広げるための事前整地作業の性格が濃厚に見える。
韓国GMと労組関係者たちの話を総合すれば、構造調整の下絵は効率が下がった生産ラインの統・廃合、GMグループ内の韓国GMの地位を小型車開発基地として再確立、収益性が劣る半組立製品(CKD)の外注化等から構成されている。 労組の直接的反発を招きかねない‘強制的雇用調整’は議論されていない段階だ。
オーロラ副社長は懇談会で「半組立製品操業場の競争力を改善する大きなチャンスがある。 外注化が最善の方法ならばそのようにすることもありうる」と明らかにした。 現在、会社側は半組立製品の外注化拡大や部品調達体系の変更過程で発生しうる作業人員異動などについて労組側と協議中だが、労組側は追加外注化には反対している。
富平(プピョン)1・2工場の統合も検討対象目録に載っている。 ホーシャ社長は先月28日、労組との懇談会で富平工場統合運営方案を初めて取り上げた。 ホーシャ社長はこの日「小型・準中型車を生産する1工場はフル稼働しているが、中型車などを作る2工場は稼動率が低い」と話した。 2工場の一部を小型・準中型車生産に使うことによって富平工場全体の生産性を高めるという戦略だ。 内需部門赤字の主な原因になっている整備(AS)部門にも本格的にメスを突きつける予定だ。
専門家たちは韓国GMのこのような構造調整を大宇自動車吸収以後の10年余りの間に変化した外部環境を考慮して推進される‘再構造化作業’と見ている。 韓国GM経営陣は高くなった人件費と生産施設の老朽化、作業者の高齢化などにともなうコスト競争力の低下を克服対象としていると伝えられた。 ここに韓国GMの大株主であるGMが2008年グローバル金融危機以後の構造調整を通じて米国内工場の原価競争力を高める一方、グローバル生産体制構築を相当部分進めたのも韓国GMの構造調整の背景に挙げられる。
だが、構造調整は作業時間調整と作業場異動など労働環境の変化を呼び起こすために労組の反発を引き起こしかねない。 チェ。ジョンハク韓国GM支部対外協力室長は「会社の計画を綿密に確かめてみている。 ホーシャ社長が何度も信頼と協力の重要性を強調しているだけに、労組と‘合意’のない構造調整はしないと見る」と話した。
キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr