原文入力:2012/07/19 22:20(2510字)
公取委に1~2ヶ所‘CD金利談合’自主申告説
事実であれば 債務者の財布をはたかせ私腹を肥やしたこと
譲渡性預金証書(CD)金利操作疑惑が‘超大型金融スキャンダル’に飛び火する兆しだ。 証券会社に続き銀行までが公正取引委員会の調査を受けている中で、19日銀行と証券会社の内 1,2ヶ所が公取委に談合の事実を自主申告(リニエンシー)したという話が出回っており、波紋が広がっている。
公取委関係者は自主申告事実の確認と関連して「肯定も否定もできない」と明らかにしたが、この間の談合調査で公取委が明らかにした態度を見れば、事実上認めたものと分析される。 業界ではCD金利談合の件とは別に来月、国民住宅債権買入価格談合疑惑で公取委の制裁を受ける状況に置かれた金融会社が2種類の課徴金を全額減免されようとしてCD金利談合を自白した可能性が高いと見ている。
金融会社のCD金利操作疑惑が事実だと明らかになれば、荒々しい嵐がまき起こると予想される。CD金利が家計貸出はもちろん各種派生商品の基準金利として活用されているだけに、金融秩序の根幹を揺るがしたという批判に直面しかねないためだ。 CD金利に連動された貸出は全体の30%にあたる324兆ウォンに達し、派生金融商品の規模は4624兆ウォンに及ぶ。 我が国の家計10ヶ所に7ヶ所(69%)が金融圏から貸出を受けており、債務者も1000万人を越える。
CD金利談合の被害者は債務者で、受恵者は金融機関だという点で、特に庶民の財布をはたかせて金融機関の私腹を肥やした‘金融圏の貪欲’に向かう批判の声がより一層高まるに違いない。 CD金利を0.1%だけ高く維持しても家計が一年間に追加で支払う利子だけで1661億ウォンに達する。昨年、国内銀行が預貸マージンを通じて得た利子収益は39兆ウォンだ。
住宅担保貸出を受けた会社員クォン・某氏は「銀行に毎月払わなければならない利子を携帯メールで送ってくるが、利子が下がるケースはなかった」として「1998年外国為替危機の時に税金を注ぎ込んで助けた銀行が、金利を操作して貸出利子をたくさん受け取っていたとすれば国民を相手に詐欺を働いたこと」とし慨嘆した。
市場混乱も避けられない。 派生金融商品価格決定の基礎にもCD金利が位置しているので、CD金利操作は数千兆ウォンに達する金融商品の取引が歪曲された価格で締結されたことを意味する。 英国のライボー金利操作事件以後、損害をこうむった投資家が銀行と証券会社を相手に訴訟戦に突入したように、今回の事件もこれと類似の様相を引き起こす可能性が高い。
金融機関としては信頼崩壊はもちろん、大規模集団訴訟と課徴金、役員に対する処罰まで覚悟せざるを得ない。 英国バークレイズ銀行はこの事件で4億5000万ドル(約5100億ウォン)の罰金を賦課され、高位役員が続々と辞退した。 チョン・ソンイン弘益(ホンイク)大教授(経済学)は「2008年金融危機以後、金融機関に向かう怒りが償還能力を越える略奪的貸出と高位経営陣に対する高額ボーナス支給のような問題だとすれば、金利操作はこれとは比較できない事案であり、(事実であれば)金融機関は致命打を受けることになるだろう」と話した。
国内金融消費者団体は金利操作が事実と明らかになれば、直ちに訴訟に乗り出す態勢だ。 チョ・ヨンヘン金融消費者連盟副会長は「CD金利が操作されて談合があったとすれば、これは金融会社が庶民の膏血を吸い込んだことになる」とし「事実であっても金融会社がとぼけるならば、集団訴訟に乗り出す」と明らかにした。 CD金利が去る5年間に0.1%だけ操作されたと仮定しても、金融会社の不当利得は1兆5000億ウォンに達する。CD金利には根抵当設定費返還訴訟のようにあまりにも多くの金融消費者が関わっているため、歴代最大規模の訴訟になる展望だ。
"銀行が国民に金利詐欺"
金融監督機関は再び監督失敗責任論にまきこまれるものと見られる。 ハ・ジュンギョン漢陽(ハニャン)大教授(経済学)は「現在の金融監督システムが金融部門全体は見ることができず、個別機関の健全性だけに焦点を合わせており、談合のような金融機関間の横断的不健全行為を摘発できないという問題点を抱いている」と指摘した。 金融監督当局はこの日も「まだ事実が確認されていないとし、談合がなされる可能性は低い」としつつも、ことによれば責任論に火がつくかと憂慮しつつ公取委の調査に神経を尖らせている。 貯蓄銀行事態のように‘業界と癒着して目をつむったのではないか’という疑いも出てきかねないという点で沈痛な気流まで形成されている。
金融監督当局はこの間、CD金利の問題点を早くから認知していながらも金融委員会と金融監督院の権限争いのために改善を今日明日と延ばしてきた。金融監督院が昨年末CD金利を代わる短期指標金利開発のためにタスクフォースを構成するとして動き出したが、金融委が自分たちの権限だとしてブレーキをかけた。 金融委が一歩遅れて再びタスクフォース チームを設けたが、結局、後手対応になってしまった。 金融監督当局はこの日TFを開いて当分CD発行を義務化し中長期的にCD金利に代わる指標を作ることに注力すると明らかにした。
※リニエンシー(leniency)
談合自主申告減免制。 制裁減免という‘ニンジン’を与えて企業らが談合行為事実を自ら打ち明けるよう誘導する方式だ。 談合事実を初めて申告した業者には課徴金の100%を、2順位の申告者には50%を免除する。 不公正行為に対する調査の効率性を高めるために用意された制度で、米国・ヨーロッパなど先進国でも一般化されている。
イ・ジェミョン記者 miso@hani.co.kr
原文: 訳J.S