原文入力:2012/06/12 19:02(1907字)
←スペインの銀行圏に対する救済金融が発表された後、最初の取引日である11日(現地時間)スペイン、マドリード証券取引所の電光掲示板を訪問客が手で指し示している。 この日、急騰傾向で始まったIBEX35指数は結局0.55%下落した状態で締め切った。 マドリード/APニューシス
‘スペイン効果’半日で蒸発
‘救済条件’まだ不確かなことも作用
イタリア国債価値も同伴下落‘砂がほとんど落ちれば再び砂時計を回して立たせておくが、そのたびに砂はさらに残り少なくなっている。 砂時計をひっくり返す周期が短くなっているだけだ。’
スペイン銀行圏に対する1千億ユーロ(約146兆ウォン≒10兆円)の救済金融効果が半日で蒸発し、12日(現地時間) <ウォールストリートジャーナル>はある資産運用家の話を引用して去る数年間にわたり続いてきたヨーロッパ負債危機の解決法をこのように描写した。 ねずみの回し車のような解決法を出しているうちに、危機発生の周期が短くなって繰り返されているだけだということだ。
先週末スペイン銀行圏に対する救済金融が発表されて、ユーロゾーン危機解決法のための時間稼ぎという評価が支配的だった。 だが、その時間が半日に過ぎないとは誰も予想できなかった。 スペイン危機の試金石であるスペイン国債収益率が救済金融発表前よりむしろ騰がったことは、スペインに対する市場の評価がどれほど慎重かを克明に示している。
市場がこのように半日で冷淡にも反転したことは今回の救済金融が取り繕いに過ぎないうえに、危機の根源をむしろ浮彫りにしただけだという評価が支配的だ。
まず、今回の救済金融はスペイン銀行圏の問題をスペインの国家問題として公式化してしまった。 いいかえれば、民間負債を国家負債に広げたのだ。
当初スペイン危機は国家の財政問題ではなく不動産暴落による銀行圏など民間負債が原因だった。 今回の救済金融もこれを狙って、スペイン政府のマクロ経済運用に新しい緊縮課題を賦課せずに、スペイン銀行圏への資金支援に限定した。 だが、この資金運用と保証は結局スペイン政府が責任を負うことになっている。 1千億ユーロにも及ぶ資金がそっくり国家負債として残ることになったのだ。 そのためにスペイン政府が発行する国債の価値が下がるのは当然と言える。 金融圏の損失を政府財政で食い止め国家も危機に直面した2008年金融危機の典型的展開過程をスペインも示しているわけだ。
第二に、スペイン銀行圏自体の問題だ。 今までスペイン国債の最大買収者はスペイン銀行だった。 スペイン銀行は不動産暴落による損失にもかかわらず、ヨーロッパ中央銀行の価格の安い資金を受け取り、スペイン国債を買収して支える中枢的役割を果たしてきた。 今やスペイン銀行は自己資金がすっかりなくなったうえに、今回の救済金融を受けてヨーロッパ連合の直接監督下に入った。 実際、スペイン国債の最大買収者の一つであった第2位銀行‘バンコ ビルバオ ピズカヤアルゼンタリア’は満期国債を新しい国債に交換しているが、その総保有量は増えていないと<ウォールストリートジャーナル>は報道した。 スペイン銀行の追加買い入れ余力がないという意味だ。
第三に、今回の救済金融の具体的条件などがまだ不確かだ。 救済金融資金は来月発効される救済金融常設機構であるヨーロッパ安定化機構(ESM)で執行されなければならないという意見が多数だが、まだ決定されてはいない。 この機構の資金が執行されるならばスペインが支払い不能事態に陥るとしても、救済金融のために発行された債権は優先返済権を持つ。 だが、既存臨時基金であるヨーロッパ金融安定化機構(EFSF)で執行されれば、優先返済権は保障されない。 このような不確実性が投資家の懐疑を鎮静化できずにいる。
救済金融というスペイン危機に対するファイア ウォールが力を失えば、周辺に火が広がることになる。 イタリア国債が再び去る1月以後の最低価値を示しているのもこのような理由のためだ。 さらに17日に行われるギリシャ再総選挙の不透明性までより増して、ユーロゾーン危機は再びスペイン救済金融以前より悪化する兆しまで見せている。
チョン・ウイギル先任記者 Egil@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/537336.html 訳J.S