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部品を作ったのに "発注取り消し" …‘共生優秀’三星(サムスン)電子の2つの顔

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/534081.html

原文入力:2012/05/22 21:56(1798字)

公取委、初の不当発注取り消し 制裁
下請け法違反…16億ウォン課徴金
2年余間に2万8574件 151ヶ所被害
"不公正下請けシステム 直さなければ"

 "部品業者が(三星電子の)発注取り消しに同意したので、下請け取引法違反ではない。"  "自発的同意とは見られない。 納期が過ぎて既に部品生産が終わった状態で‘甲’の地位にある三星電子の要求を拒否すれば報復されるかと思い‘泣き寝入り’しただけのことだ。"

 去る18日ソウル、瑞草洞(ソチョドン)の公正取引委員会では三星電子と公取委の間にきっ抗した攻防が続いた。 納期が過ぎた時点で部品業者の誤りがないのに一方的に発注を取り消した三星電子の行為が不公正下請け取引に該当するかを審議する席であった。

 公取委は三星電子の不当な発注取り消しと部品受領遅延などの行為が下請け法違反に該当するとし、是正命令と共に16億ウォンの課徴金を払わせたと22日発表した。 公取委が大企業の不当発注取り消しを制裁したことは初めてだ。

 公取委による調査の結果、三星電子は2008年1月から2010年11月までの間に2万8574件に及ぶ納期以後の発注取り消しや遅延受領行為が摘発された。 被害中小部品業者が151ヶ所に達する。 だが、三星電子は被害金額763億ウォンに対しては一銭も補償しなかった。 公取委のチ・チョルホ企業協力局長は「三星電子が生産量減少、設計変更などを理由に納期が過ぎたのに一方的に発注を取り消して中小部品企業等に被害をもたらした」と説明した。

 三星電子事件は李明博政府が2010年9月大・中小企業同伴成長総合対策を発表し、多くの大企業が共生経営方案を出したが、公正な下請け取引秩序構築まではまだ道が遠い現実を示している。 さらに三星電子は去る10日、同伴成長委員会が56ヶの大企業を評価した同伴成長指数発表で最も高い‘優秀’等級を受けた。

 三星系列の三星電気は22日京畿道(キョンギド)広州(クァンジュ)で開かれた‘大・中小企業同伴成長ワークショップ’で協力会社156社に資金支援・技術協業等を通じて661億ウォンを支援した事例を発表した。 だが、中小企業は大企業のこのような金銭的支援より納期以後の不当な発注取り消しと補償無視のような不公正下請け行為を産む根本システムの改善が切実に望まれると口をそろえる。 端的に言えば三星電子は不当な発注取り消しを通じて在庫負担を中小企業に押し付けてきた内部資源管理システム(ERP)を2010年12月公正委の調査を受けた以後にも依然として改善していない。 三星電子関係者は「納期以後の発注取り消しを最小化する努力を傾けているものの、既存システムを変えることはなかった」と認めた。

 三星電子は製品周期が短い情報技術(IT)産業の特性上、納期以後の発注取り消しは避けられない側面があると釈明している。 三星電子関係者は「他のIT企業等の事情も三星と同じだろう」と話した。 だが、ある協力業者社長は「大企業の納期以後発注取り消しは市場状況の変化にともなう在庫負担を中小企業に押し付けることに過ぎない」と話した。 実際、外国大企業と国内大企業の部品注文方式には大きな差があることが分かった。 また他の協力業者社長は「外国業者が部品注文をする時は、納期を相対的に余裕を持って与えながら、一ヶ月分の物量の購買を保障し、残りの2ヶ月分物量も70~80%程度は責任を負う反面、三星は納期が1~2週と短くて、この期間の生産量だけに購買責任を負う」と話した。 協力企業等は短い納期に合わせるために予想注文量を見て資材をあらかじめ確保し生産をせざるを得ないが、三星が突然発注取り消しをすれば身動きできず在庫を抱え込むことになるということだ。 ある協力業者社長は「三星が1次協力業者に不当な発注取り消しをすれば、1次は2次に、2次は3次にその負担を押し付ける悪循環が続く」と語った。

クァク・ジョンス記者 jskwak@hani.co.kr

原文: 訳J.S