原文入力:2012/05/07 19:08(1630字)
←去る6日に営業が停止された韓国貯蓄銀行の預金者が7日午前、ソウル、中区(チュング)、乙支路(ウルチロ)本店で職員の説明を聞いている。 韓国取引所はこの日から営業が停止されたソロモン貯蓄銀行と韓国貯蓄銀行が上場廃止審査対象とするかを決めるため売買取引を停止させた。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr
PF貸出 6兆 時限爆弾…市場信頼を失い営業悪化
昨年 家計貸出 増加率 25%に 普通銀行の4倍超
地域密着スキ間市場を開拓できなければ追加構造調整
生き残った貯蓄銀行は全て国際決済銀行(BIS)基準自己資本比率が5%を越える。 優良な水準ではないが正常だ。 だが、いつでも正常ではない状態に転落しうることが問題だ。 今回に先立つ3回の構造調整過程で退出した銀行を見れば、正常水準の自己資本を備えていたところもわずか数ヶ月後には資本蚕食状態に陥る。それだけ貯蓄銀行の資産と収益構造は脆弱だ。 外部環境と経営実績により健全性指標はいつでも急激に悪化しうる。キム・ソクトン金融委員長が今後‘市場を通した常時退出’に貯蓄銀行構造調整方式を切り替えると明らかにした理由がまさにそこにある。 監督機構で一括点検を行い退出対象を定めるには限界があるということだ。
貯蓄銀行追加不良発生危険の主犯はやはり不動産プロジェクト ファイナンシング(PF)貸出だ。 一時12兆ウォンを越えた貯蓄銀行のPF貸出残額は資産管理公社(ケムコ)の引き受けなどに力づけられ昨年末現在で6兆ウオン台に減った。 それでも依然として時限爆弾だ。 特に不動産景気の低迷が長期化する中でPF貸出は元利金償還満期が巡って来るにつれ不良資産として処理されている。PF貸出で3ヶ月以上利子支払いが滞った‘固定以下’資産の比率は、昨年末現在43.1%で、1年で何と33%も急増した。 これにともなう貸し倒れ引当金積み立て負担が財務健全性悪化の主要因だ。
貯蓄銀行が新たな資金運用先を探せず、家計貸出を大きく膨らませているのも不吉な兆しだ。 昨年貯蓄銀行の家計貸出増加率は普通銀行より4倍以上高い24.7%に達する。 ややもすると家計発金融不良を煽ることにならないかとの憂慮が大きい。
脱出口は明らかだ。 顧客の不安を解消して市場の信頼を取り戻すには、貯蓄銀行自ら財務健全性を強化しなければならない。 大株主有償増資や資産売却などで自己資本を拡充することが最も確実な方法だ。 当面の危機をまぬがれようと‘順送り有償増資’などで対処してみても没落を少し遅らせるだけだ。 健全な貯蓄銀行までをも危機に陥れる。
中長期的には営業基盤をしっかりすることが課題だ。 三回にわたる構造調整をたどりながら市場の信頼が崩れたために貯蓄銀行の与受信環境は最悪だ。 銀行との競争では資金や人材などすべての面で絶対的に低い地位だ。 ところが貯蓄銀行が特化できる市場は明確に存在する。 イ・サンヨプ韓国銀行次長(マクロ健全性分析局非銀行研究チーム)は 「内実ある貯蓄銀行の共通点は無分別な群集行動を自制し、地域密着型営業で隙間市場を構築するということ」とし「規模が小さいだけに営業環境と顧客選好の変化に足早く対応できるという長所を生かせばいくらでも競争力を備えることができる」と話した。
結局特定地域で固めた関係ネットで、その地域の庶民と零細商人、小規模企業を相手にした営業が生きる道だ。 庶民を眼中に置かない庶民金融機関にはこれ以上存立根拠がない。 本業に戻らなければならないという話だ。 パク・スンビン記者 sbpark@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/531629.html 訳J.S