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在来市場の門になった韓屋の柱

原文入力:2012/05/07 20:40(1296字)

←ソウル、鍾路区(チョンノグ)、通仁(トンイン)市場 正門造形物. パク・ヨンチェ建築専門写真家 提供

通仁市場正門、三角形の屋根などに現代建築を接ぎ木

 ソウル中心部にある在来市場に韓屋を活用した‘新概念造形物’正門が誕生した。 ソウル、鍾路区、通仁市場の正門は最近独特の造形物(写真)が新たに完成した。 石の上に木をのせた柱、その上に軒が櫛の歯形を成し遂げる屋根をのせた姿は韓国式家屋特有の工法そのままだが、詳しく見ればどこにもない特別な姿だ。 門といえば柱2本に屋根をのせることが基本だが、柱は一本だけで屋根は三角形. その上に瓦ではなくガラスで覆った屋根だ。

 この新しい正門は建築家ファン・トゥジン氏の作品で、大型割引マートなどのために困難を経験している在来市場の活性化のための美観改善作業として推進された。 道路からはあまり見えなかった既存の正門を新しく作ることになったファン・トゥジン建築家はソウルの古い伝統村であり韓屋密集地域であるこの町内に相応しい正門として韓屋形式を試みることを決心した。 しかし単純に伝統的な高柱大門などをそのまま建てるよりは現代都市にマッチするように現代的な建築として再解釈しようと考えた。

 そして出てきたアイデアが前方の柱が1本である正門だ。 狭く長く続く市場の上を覆ったアーケード天井から柱一本が突き出して道路に出て来て屋根と連結される門を作るというものだった。 伝統韓屋で柱1本の構造物はない。 注目撃を高めると同時に、消防車や緊急車両はもちろんトラックが出入りするのに支障が無いようにする技術的理由もあった。

 新しい正門は韓屋特有の栱包(屋根の重みを柱に伝達する部分)と、屋根を構成する軒が韓屋の構造美をよく表わしている。 その一方で工法には新しい試みが入っている。 柱と屋根が一般韓屋よりさらに軽快に見えるよう木と石部材の間に鉄構造を入れて厚さをはるかに薄くさせた。木と石の間に鉄がサンドイッチのように挟まっている形だが、ファン建築家は「木と石自体で重さを支える韓屋は柱などの要素が厚くならざるをえない」として「建物ではなく構造物、造形物であるので現代建築のようにすらりとした比例感を生かしてみたくて鉄構造を活用した複合工法を試みることになった」と説明した。

 これまで在来市場の正門は市場の名前を知らせることに重点を置き、多すぎる装飾で装いされ美的水準が下がり、その寿命も短くて都市美観をむしろ害しているという指摘を受けてきた。 通仁市場の新しい門は‘業者’たちが千編一律に作った市場正門を有名建築家の作品で現した点、韓屋をデザイン アイコンとして活用し新しい造形物を試みた点でよろこばしく意味ある試みといえる。

ク・ボンジュン記者 bonbon@hani.co.kr,写真パク・ヨンチェ建築専門写真家提供

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/531707.html 訳J.S