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保守言論の狂牛病報道‘牛も笑う’

原文入力:2012/04/26 17:05(1686字)

←中断できない検疫 米国で狂牛病にかかった牛が発見され国内大型マートが米国産牛肉の販売中断に入った25日、京畿道(キョンギド)広州(クァンジュ)のある冷凍倉庫で農林水産検疫検査本部の検疫官が検疫をしている。 農林水産食品部は米国産牛肉に対する必要な措置を準備するものの、検疫中断措置を直ちにとりはしないことにした。 ニュース1

乳牛は輸入しない?
検疫の時、乳牛かどうか確認する方法はない

他国も輸入・検疫を中断しなかった?
単純比較は適切でない

 2008年韓米自由貿易協定締結後、米国で狂牛病の牛が初めて発生したが、韓国政府は検疫中断措置を留保した。 韓国が検疫主権を放棄したという批判が出ているなかで、保守言論は輸入中断措置をしないことが望ましいという内容の報道をしている。 30ヶ月を越える乳牛は輸入されないという断言も続いている。

 <朝鮮日報>は26日付1面記事で‘政府、米牛肉検疫強化  日本・EUと同じく輸入は継続’という題名で 「米国で2006年以後6年ぶりに狂牛病にかかった牛が発見された。 しかし米国産牛肉の最大輸入国であるカナダとメキシコはもちろん、我が国と日本、ヨーロッパ連合、ロシアなどがこの日輸入または、検疫中断措置を取らないという立場を明らかにした」と報道した。

 また、2面では今回狂牛病にかかった牛が乳牛だったという点で過去とは異なり危険度が低いという指摘が出ていると報道した。 <朝鮮>は「我が国は乳牛肉は米国から輸入をしていない」として「規定上、輸入自体は可能だが食用肉としては消費されず輸入されない」と主張した。

 <東亜日報>も26日付3面で「狂牛病にかかった米国の牛は30ヶ月を越えた乳牛…国内には輸入されない」と報道した。 <中央日報>も26日付‘30ヶ月越えた牛肉 食用輸入の可能性なし’という題名の記事で農林水産食品部の発言を土台に 「30ヶ月以上になった乳牛肉は米国で主に加工用原料として使われる。 現在の輸入衛生条件では輸入される可能性がない」と報道した。

 これらの報道内容は事実であろうか。 まずカナダ・日本などとの単純比較は適切でないというのが専門家たちの見解だ。

 日本の場合、輸入条件がわが国よりはるかに厳しい。 日本は20ヶ月未満の牛だけを輸入しているので韓国より安全な輸入条件で米国産牛肉を輸入している。 カナダはすでに米国より狂牛病発生率がはるかに高いので韓国とは大きく異なる。 ヨーロッパもやはり事実上米国産牛肉を輸入していないため特別な措置を取る理由がない。

 韓国の外交公平性に合わないとの主張もある。ウ・ソクキュン保健医療団体連合政策室長は「韓国が牛を輸入しているまた別の国であるカナダ・メキシコ・ニュージーランド・オーストラリアなどとは‘狂牛病が発生すれば即時輸入中断、または、検疫中断をすると明示されているが、米国と結んだ協約にだけ米国の狂牛病清浄国の地位が変化する時だけ検疫中断および輸入中断をするとされている」として「2008年に国民があれほどたくさん抗議したのもそのような理由のためだ」と話した。

 専門家たちは乳牛と関連した内容も安心できないと主張する。 ウ・ソクキュン室長は「我が国の輸入衛生条件に‘乳牛は輸入できない’と明示した条項がないのみならず、検疫をする時のその牛が乳牛なのかそうでないのかを指摘することもない」として「農林水産食品部は‘30ヶ月を越えた牛肉は主に加工用原料で使われる’と話しているが、不妊牛とかふらついた牛はあらかじめ屠殺して、乳牛から生まれた雄子牛もやはり乳牛だが幼い時に屠殺をするので30ヶ月未満の乳牛が韓国に輸入されないという断言の根拠は全くない」と話した。

パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/530104.html 訳J.S