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日本‘社会派推理小説’元祖作品 異例的にコンソーシアム通じ翻訳出版

原文入力:2011/10/13 08:26(1397字)
イム・ジョンオブ記者


ブックスピア・歴史批評、松本作品著作権 共同協議


←作家 松本清張(1909~1992)


ジャンル小説専門出版社と歴史物専門出版社が異例的に手を取り合った。ブックスピアと歴史批評社(歴批)は日本の社会派推理小説を代表する作家 松本清張(1909~1992・写真)の著作30点余りを共同で翻訳出版することで遺族会側と契約したと12日明らかにした。

両出版社は来年1月<けものみち>(ブックスピア),<Dの複合>(歴史批評社)を出すのを始め、2~3ヶ月ごとに会社毎に1冊ずつ計30点余りを出版する予定だ。 松本清張の作品はブックスピアで先に短編選を出版したが、その後 歴史批評社で他の本を出版することになり両出版社が力を合わせることになった。清張は推理小説でも有名だが歴史を扱った作品も多く、ブックスピアと歴史批評社が作品の中で各出版社の性格に合うものを選んで自然に役割分担される方式で進行される展望だ。本は別々に出すが本のデザインとマーケティングは共同で行う。


←ブックスピア・歴史批評、松本作品著作権 共同協議


ブックスピアと歴史批評社は日本の遺族会側との著作権共同協議を通じて先払い金、契約期間などで有利な条件を得たことが分かった。著作権交渉を代行したシンウォン エージェンシーのイ・ジョンミン次長は「コンソーシアム形態の著作権料交渉は極めてまれ」とし「最近、浮上した作家に比べて先払い金は少ないが全集をきちんと管理するという信頼を与え契約が実現した」と明らかにした。 ペク・ウォングン韓国出版研究所責任研究員も「シナジー効果が大きい」としつつ「中小出版社が協力して活路を模索した良い先例」と評価した。


両出版社の提携は松本の著作が膨大で歴史とフィクションにまたがり1社での翻訳出版は負担が大きいという判断から始まった。 協業を提案したキム・ホンミン ブックスピア代表は 「危険は分けあい、力は合わせよう」という趣旨だった」と説明した。歴史批評社のチョ・ウォンシク編集長は「フィクションとノンフィクションに分けて出版するが、読者は松本著作を一堂に見ることができるようになるだろう」と話した。


松本清張は司馬遼太郎とともに日本の国民作家と呼ばれているが、彼の作品世界が国内に本格的に紹介されるのは今回が初めてだ。彼は小学校卒業の学歴で朝日新聞社広告図案部職員として働き、41才でデビューした。 1952年<或る「小倉日記」伝>’で日本文壇の最高権威である芥川賞を受け、40年間にわたってミステリー・探偵小説と共に歴史小説、ノンフィクションなど750冊の著書を残した。特に彼が創始した‘社会派’推理小説は身の回りで簡単に見ることができる人物の日常に起きうる事件を素材に‘リアリズムの中のミステリー’を追求したことが特徴だ。代表作に<砂の器>、<点と線>、<ゼロの焦点>などがあり、8編が日本で映画化された。この内<砂の器>は日本映画史の傑作と評価されている。


イム・ジョンオブ先任記者 blitz@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/500550.html 訳J.S