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KBS「李承晩特集」初回放送 質的均衡論議

原文入力:2011/09/29 20:05(1280字)
チェ・ソンジン記者

28日第1部「開化と独立」放映
「独立運動」部分は誇張・美化
否定的評価は単純な羅列に留まる

←28日夜10時に放映された「大韓民国を動かした人々-初代大統領李承晩」の第1部「開化と独立」編の一場面。KBS提供

李承晩元大統領の生涯に光を当てた韓国放送(KBS)の3部作「大韓民国を動かした人々-初代大統領李承晩」(李承晩特集)の第1部が28日、放送された。この日の夜10時から60分間放映された李承晩特集の第1部は、4.9%(AGBニールセン集計)の視聴率を記録した。

李承晩特集の第1部「開化と独立」編は、「儒者李承晩」が培材学堂に入学し、開化青年として新たに出る場面から始まった。前半部では、万民共同会の演説者として名を知られた彼が、アメリカ自由主義思想に目を開く過程、1899年の高宗廃位事件に加担して投獄されるエピソード、韓国の独立保全を請願するために、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領を訪問する場面など、主に「改革家」「独立活動家」としての姿に焦点を合わせた。後半部では、朴容萬(パク・ヨンマン)などとの独立路線の対立、委任統治請願論議、在米韓国人社会の分裂、臨時政府弾劾事件など、彼を中心に発生した否定的事件も扱った。

専門家と一部の視聴者は、李承晩特集第1部が、彼の「功績と罪過」に対する量的均衡を概して維持していたが、質的均衡は守れなかったという評価を下している。例えば、彼に対する肯定的評価については、「2・8独立宣言当時、李承晩の演説は大きな感動を残した。2・8独立宣言と3・1運動の熱気に負って力づけられ、李承晩はすでに民族の最高指導者と認識された」とのナレーションを動員して、直接評価した反面、否定的評価の原因になった委任統治請願と臨時政府弾劾事件などに対しては、単純な羅列に終わったとの指摘だ。朴漢竜(パク・ハンヨン)民族問題研究所研究室長は、「当初、憂慮された深刻な事実歪曲は、含まれていなかった」としつつも、「ただし、彼の独立運動経歴を紹介しながら、当時、彼より苦しい立場で独立闘争をした他の活動家をほとんど扱わないことにより、あたかも彼が独立運動の主役のように描写した」と話した。

KBS聴者掲示板とツイッターなどでは、李承晩「美化意図」が表れたといの批判の声が主に上がってきている。視聴者のシン・某氏は29日、「李承晩は渡米後、アメリカでの独立運動勢力を瓦解させた張本人」として、「高宗廃位事件への加担を示して、李承晩を開化論者として美化するのは歴史を歪曲することだ」と主張した。 称賛の声も一部で上がってきた。視聴者のイ・某氏は「李大統領が成し遂げた業績により、今日、自由な大韓民国に住んでいるという考えに、誇りを持つようになった」と明らかにした。

チェ・ソンジン記者 csj@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/culture/entertainment/498597.html 訳 M.S