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大当たり熱望が産んだ前近代的産業のくびき

原文入力:2011-01-24午後08:06:10(1718字)
志望生時期に拒否できない専属契約
人気出てから不平等条項に反旗

収益実現 容易ではない芸能界で
‘パートナー’認識・分配構造改善が必要

ソ・ジョンミン記者

←KARA、JYJ

相次ぐ‘アイドル-企画会社’葛藤
最近、東方神起、スーパージュニア、KARAなど人気アイドル グループと所属社間に専属契約を巡る葛藤が相次いで起きている。歌謡界関係者と専門家らはどちらか一方の誤りだけに追い込むよりは、前近代的産業構造を根本的に改善しなければならないと口をそろえる。

専属契約 雑音 なぜ?  芸能界専属契約書に問題となる素地のある条項が少なくないという指摘は絶えず提起されてきた。代表的なものが10年以上の長期契約だ。また、芸能人が私生活まで統制されるようにするなど人権侵害的要素も問題点として指摘されている。芸能人が契約を破棄する場合、常識を跳び越える水準の違約金を払うようにし所属会社に強制的に縛っておく道具として悪用することも問題だ。

だが、こういう不利な条件にも志望生らはムダ口を叩かず契約を結ぶケースが大部分だ。志望生があふれている状況で、企画会社の契約条件を拒否することは難しいためだ。そうするうちに人気を得れば考えが変わることになる場合が多い。自分の人気にふさわしい待遇を要求してくるわけだ。周辺の他の企画会社がより良い条件を掲げ所属会社移転を薦める事例も少なくない。

多すぎる初期投資 なぜ?  企画会社らは歌手一人を作り出すのに莫大な初期投資が必要だから長期契約、高水準違約金などが最小限の防御装置であると抗弁する。ある歌謡界関係者は「新人がレコードを出せば放送出演などのために集中的に広報費を使わざるを得ず少なくとも1億ウォン、多くて3億~4億ウォンずつかかるのが普通」と話した。大型企画会社の場合、初期投資額がより一層多くなる。デビュー前から外国進出を念頭に置き、踊り・歌はもちろん外国語まで教える結果、さらに多くの時間とお金がかかるということだ。

←東方神起

問題は多くの費用をかけても収益を出すのは容易でないという点だ。放送出演料は非常に少なく、出演すればするほどコーディネート・バックダンサーなどの費用ばかりが増える。レコード・デジタル音源収益もいくらにもならない。歌手らの重要な収益源である広告や行事も新人の時は多くの金にはならない。ある企画社関係者は「新人の時は歌謡順位プロ1位をとっても金にならないため、製作者の立場では3年、5年見なければ答が出ない」として「一部大型企画会社を除いては相当数の製作者が苦戦しているのが現実」と話した。

根本的解決策は?  それでも相変らず多くの製作者らが歌謡産業に飛び込んでいる。高危険高収益冒険産業の特性上‘大当たり’に対する期待感のためだ。 歌手志望生らもまたあふれている結果、前近代的な専属契約と産業構造改善が容易ではない。専門家たちは収益構造を改善し企画会社が所属歌手を単純に金儲け手段としてではなく‘パートナー’として認識するなど、漸進的体質改善が必要だと口をそろえる。

まず放送中心の歌謡興行システムを変え、広報費バブルを取り払わなければならないという声が高い。放送会社は企画会社の広報に乗るのではなく、良い音楽を発掘し勝負する側で努力しなければならず、大衆も放送が流す音楽だけでなく良い音楽を探して聞く能動的な消費主体となる必要があるということだ。音源サイト・移動通信会社が過度に多くを持っていくデジタル音源収益配分構造を改善し、広告や行事ではなく音楽自体だけでも収益を上げられる市場構造を定着させることも基本だ。デジタル音源市場や企画会社専属契約で不公正行為がないよう公正取引委員会など政府機関の持続的な監視と改善努力も切実だ。

ソ・ジョンミン記者 westmin@hani.co.kr,<ハンギョレ>資料写真

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/460377.html 訳J.S