原文入力:2010-07-21午後07:06:24(3399字)
月見峠 森の道・推理文学館など釜山、海雲台海水浴場付近の見どころ
イ・ビョンハク記者
←海雲台海水浴場そばの月見道(Moontan Road)。海を見ながら散歩ができる松林の道だ。
釜山、海雲台海水浴場は誰もが認める国内の代表的な海水浴場。避暑シーズンには一日最大100万人を越える人波が集まり、水半人半の大変な混雑になる。避暑最盛期には長さ1.6km、幅30~50mの砂浜に何と1万ヶ余りに及ぶ色とりどりのビーチパラソルが整然と立ち並び壮観だ。世界のどこにも見られない風景という。
駐車問題を別にすれば海雲台海水浴場は長所の多い所だ。国内海水浴場の中でほとんど唯一、高層ビルが密集した街から道路を一本渡れば浜辺と海水が広がる。傾斜は緩やかだが波は高く、波乗りも可能なエキゾチック海水浴場でもある。こういう長所のおかげで人波が人波を呼ぶ。込み合う避暑地が好きな若年層が特に多く集まる所だ。本格休暇シーズンを控え、海雲台海水浴場周辺の見どころ・繁華街を見て巡った。
←昨年の避暑シーズン、海雲台海水浴場を埋めたパラソル行列。<ハンギョレ>キム・ジンス記者
海雲台は南海の海…松亭は東海の海
海雲台という名称は新羅末期の文章家 孤雲 崔致遠の別名 海雲から始まったという。崔致遠が伽耶山へ行く途中、こちらに立ち寄り景色に惚れ込み、自身の号を取り海雲台と名付け、絶壁に文字を刻んだと伝わっている。冬柏島東側の岩壁に文字が残っている。積んだという小高い台はその痕跡もないが、今でも松や椿がうっそうとした森を成し遂げていて、一巡り散策し森と海を鑑賞するに値する。黄玉公主(王女)の伝説にちなみ立てられた人魚像もある。黄玉公主は人魚の国から嫁にきた公主という伝説の人物だが、実際にインド アユタヤ国の王女が大伽耶の金首露王の嫁にきた許皇后を指すという説もある。南側にはヌリマル(APECハウス)が建っており、頂上には崔致遠銅像と詩碑がある。ひとまわりして降りてくるのに1時間まではかからない。海雲台海水浴場西端の冬柏島は数百年前まで島だったが、今は海水浴場と繋がっている。
←九德浦 道標
海水浴場の東端は月見峠の始まる地点だ。月見峠は海雲台海水浴場と松亭海水浴場の間の峠で、満月が浮かび上がる景色が美しく、大韓八景の一に選ばれた所だ。カフェと画廊が並んでいる文化の町でもある。この峠の海辺側の中腹の松林の中に歩きやすい森の道がある。海雲台海水浴場側から尾浦を経て青沙浦~九德浦~松亭海水浴場まで続く森の道で、いわゆる‘3浦道’の一区間だ。
2008年に初めて整えられたこの森の道に、区庁側は昨年‘月光テラピー道’という意味を込めて‘Moontan Road’で名前をつけたが、簡単に‘月見道’という名前の方がより美しく聞こえる。松林と海を同時に楽しみ散策する、都心の中の快適な森の道だ。山の斜面の下の松林の間に線路が通り、線路のそばには青い海が広がる。
←海月亭
月見峠に上がってみるならば、イルアホテルを過ぎて‘丘上の家’食堂の向い側に森の道入り口がある。車は道路周辺の駐車場に駐められる。初めからうっそうとした松林に沿って土の道が続く。右側に広がる海のはるか先にとがって聳える五六島が目に映る。晴れた日には65km離れた対馬も鮮明に見えると言う。九德浦・松亭海水浴場までくねくねと続く4.8kmのゆるやかな森の道には憩い場兼展望台と体育施設が用意されている。海辺のそばの線路は東海南部線鉄道だ。この鉄道は2014年頃、東海南部線が変更されれば廃船になる予定だ。区庁側は線路をレールバイク用に模様替えする計画だという。
釜山アクアリウムの水底トンネル
この森の道は、やや大げさに言えば南海海と東海海に順に出会えるところだ。海雲台区庁ムン・ビョングク観光振興係長が話した。「海雲台海水浴場は南海の浜で、松亭海水浴場は東海の浜です。厳密に言えば、この森の道の中間ぐらいが境界になる所でしょう。」実際に太平洋側と接した海雲台海水浴場の波が高い時も、東海側に接する松亭海水浴場は波が低いという。森の道が鉄道と近づきながら2基のチャンスン(木像)に出会う所が森の道の終点だ。松亭海水浴場の入り口でもある。海雲台海水浴場が外部の人で満たされるならば、松亭海水浴場は釜山市民、特に大学生たちのいわゆる‘MT(訳注:メンバーシップ トレーニング)’場所として愛用される所だ。釜山で学校に通いながら松亭に団体で遊びに行かなかった学生はいないほどという。
森の道で初めて出会う体育施設の分かれ道で左側の急な森の道を上がれば、月見峠の上に登ることになる。展望の良い亭子 海月亭があり、ちょっと歩けば推理文学館にも出会える。推理文学館は推理小説家 キム・ソンジョン氏が1992年に開館したブックカフェだ。3万冊に及ぶ国内外推理小説と文学書籍に出会うことができる。
←推理文学館 シャーロック・ホームズの部屋
350種の海洋生物を集めた釜山アクアリウム
海雲台海水浴場の真ん中に位置する釜山アクアリウムは子供連れの家族旅行客が多く訪れる所だ。長さ80mもある水底トンネル、高さ7mの珊瑚水槽、そして3千tに及ぶ大型水族館とテーマ別水族館を備えている。350種5万余匹の海洋生物に出会える。特に7月22日からは稀少サメであるシュモクザメ(槌サメ) 22頭が日本から入ってきて8月末までリリースされる。
←海雲台 在来市場入り口
海雲台海水浴場の裏にぎっしりと詰まっている高層建物の下には、素朴な在来市場路地が残っていて立ち寄る価値がある。通りを整備して新しい看板を付けたが、裏路地はくたびれた昔の姿そのままだ。市場には30年にわたり‘キムトクスン’(のりまき・トッポッキ・スンデ)で名前を知られたサングクの家とおいしい麺を巻きつける階段屋など くたびれてはいるがお客さんで込み合う食堂もある。味噌をつけて食べる釜山式スンデの味が風変わりだ。
この他に登録文化財の東海南部線鉄道の松亭駅舎(1940年代建築)と樹齢100年内外の松がスレート屋根を突き抜け誇らしげに見える佑洞の松林の村もある。松亭駅の鉄製倉庫は当時ヨーロッパで流行したアールヌーボー様式の建物だ。10余世帯が暮らす松林の村は韓国戦争の時、鉄道労働者たちが松の間にテントを張って住み始め形成されたという。松を切らずに家を建て、屋根ごとに聳える松が異彩を放つ。
←月見道から眺めた海雲台近海と五六島(写真左端)
旅行メモ
お昼はミルミョン、夕食は参鶏湯
◎行き方|ソウル駅から釜山海雲台駅までセマウル号・むくげ号随時運行。海雲台駅から海雲台海水浴場までは500m余り。KTXはソウル駅から釜山駅まで運行する。釜山駅からバス(1001,139,40度)で海雲台駅まで行くか、地下鉄1号線釜山駅で乗り、西面駅で2号線に乗り換え海雲台駅で下車。
◎食べ所|佑1洞区庁そば ミルミョン専門店(051-743-0392),海雲台 噂の参鶏湯(051-741-4545),海雲台参鶏湯(051-747-3368)
◎晩夏パッケージ|海雲台海水浴場、パラダイスホテルは8月16~31日晩夏宿泊パッケージをリリースする。海辺側デラックスルーム1泊と2人バイキング朝食、露天風呂・野外プール(おとな2・子供2人)利用券、体練センター利用権含む26万5千ウォン(税金・奉仕料 別)。サウナ50%割引券、釜山アクアリウム20%割引券、ルボア スパ15%割引券も提供する。予約(051)749-2111
◎旅行問い合わせ|KORAIL 1544-7788,海雲台区庁観光振興課(051)749-4081,釜山市庁文化観光課(051)888-3508,釜山アクアリウム(051)740-1700
釜山=文・写真 イ・ビョンハク記者 leebh99@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/esc_section/431430.html 訳J.S