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韓-英自動翻訳‘成功率85%’の壁を越えろ

記事入力:2008-12-04午後07:02:00
ハンギョレ言葉研究所 学術発表会

イ・セヨン記者 チョン・ヨンイル記者

翻訳に対する需要が急増している。世界化と情報技術(IT)革命に力づけられて国境を越える情報の交流と疎通が急激に増えたおかげだ。こういう状況で情報の迅速な獲得と拡散を妨げる言語障壁を克服することは国家競争力を高める問題とも直結する。ハンギョレ言葉研究所(所長 チェ・インホ)は4日ソウル,孔徳洞ハンギョレ新聞社3階会議室で国内で開発された翻訳機の性能と問題点を点検し自動翻訳の基礎になる電子国語辞典の出来ばえを調べる学術発表会を開いた。

まだ70~80%水準…英→韓より韓→英が劣る
85%越えれば使用者満足…“政府無関心が発展の妨げ”

情報技術(IT)産業の成長にともなう自動翻訳技術の発展にもかかわらず自動翻訳機の韓国語-英語翻訳成功率は使用者が満足するほどの水準に達していないことが明らかになった。また、正確度と効用性が相対的に高い日本語-韓国語自動翻訳システムも慣用語や同音異義語などを翻訳する時に誤訳事例が多く、後編集(校正)のための体系的マニュアル作成が急務であることが分かった。

韓国電子通信研究院のパク・サンギュ博士はこの日、‘韓-英自動翻訳現況’という発表文で「韓-英自動翻訳システムの翻訳率を分析した結果70~80%に留まった」として「特に韓国語を英語に移すことが英語を韓国語にする場合より翻訳率が落ちた」と診断した。

パク博士は「特許文書の場合、2005年S社が開発したソフトウェアが83%で翻訳率が最も高かった」として「英語ウェプ新聞翻訳率はK社のものが77%,技術文書自動翻訳では昨年L社が開発したシステムが80%水準だった」と伝えた。電子通信院は最近1000ヶの特許文書から(比較可能な) 100ヶの文章を抜き取り国内で使われている自動翻訳システムを利用して翻訳した後、これを外部翻訳専門家7人に依頼し評価基準により点数を付け翻訳率を算出した。

彼は「韓国語と語順・文法体系が類似している日本語を除けば、英語・中国語など他の外国語の場合、画期的な翻訳率向上は当分期待しにくい」として「現水準の翻訳率でも実用性を発揮できる応用分野を開発することが必要だ」と注文した。

パク博士は国内自動翻訳技術の発展を妨げている要因として△政府の近視眼的研究開発支援政策△専門要員不足による技術開発の困難性△自動翻訳サービスは無料という消費者らの誤った認識などを挙げた。

←ハンギョレ言葉研究所が4日ソウル,孔徳洞,ハンギョレ新聞社で<やさしい疎通-機械翻訳機点検・評価>を主題に開催した学術発表会でイム・ジョンナムL&Iソフト代表が意見を発表している。 チョン・ヨンイル記者 yongil@hani.co.kr

討論者として立ったイム・ジョンナムL&Iソフト代表は「情報習得のためのアプローチを助ける自動翻訳技術は国家競争力向上とも密接な関係がある」として「国内企業は10年余の期間に世界が注目する技術的成長を成し遂げたが、自動翻訳技術に対する政府の無関心により今では開発投資さえされない斜陽産業になっている」と鋭く指摘した。

‘機械翻訳機の問題と展望’という主題で発表したイ・ジョンヒョク ポステック教授は機械(自動)翻訳機で使われる言語変換方式を比較した後、それぞれの長短所を分析した。言語変換方式は△規則基盤方式(RBMT) △例題基盤方式(EBMT) △統計基盤方式(SBMT) △多重エンジン方式(Hybrid MT)の四種類がある。イ教授は「どんな変換方式も語彙の重義性や文法的異質性にともなう翻訳の難点を全て解決することは難しい」としつつ「但し、RBMTは原文分析に,EBMTは言語変換に,SBMTは訳語生成に相対的に強みを見せる」と説明した。

現在、機械翻訳は多重エンジン方式の翻訳機と精巧な評価システムが作られており持続的に品質が向上する傾向だ。加えてインターネット上でウェププラウザとチャット,電子メール,情報検索などに機械翻訳を活用したり、翻訳メモリーと文脈索引機などオフライン翻訳支援ソフトウェアを使う人も増えている。

イ教授は「当分は汎用でない特殊目的用として活用されるだろうが、長期的には機械翻訳が音声言語翻訳まで拡大する」としながら「自動翻訳・通訳がグローバル情報化時代の核心技術として浮上しているだけに競争力確保に努力しなければならない」と語った。

利用者の立場で韓-日翻訳機を点検評価したオ・サンヒョン延世大博士は「機械翻訳でも使用者が誤訳を最大限警戒しながら後編集(校正を几帳面に遂行するならば人間翻訳の限界であるのろい速度と訳語選択の非一貫性を克服する補助手段として十分に有効だ」と結論付けた。

機械翻訳が完全性を備えようとすれば意味・等価性・正確性・技巧などを充足させねばならないが、機械翻訳はテキストの外の重要情報である‘背景知識’がないため根本的な限界があるというのがオ博士の診断だ。彼は「日本語と韓国語は語順が同一で文法的活用と機能が似ており、機械翻訳に困難が殆どないとはいえ曖昧性と同音異義語,慣用語などの特異要素が混じる文章では誤訳素地が多く必ず後編集過程を経なければならない」と強調した。

これに対して討論者として立ったイ・ギョンイル ソルトゥルクス代表は「商用化された日-韓機械翻訳は96%,韓-日機械翻訳は92%の翻訳品質を見せている」として「さらに完ぺきな品質を確保しようとすれば一層多様な常用語句と複雑な用言活用に対処することができるよう部分構文分析と部分変換方式が採用されなければならない」と助言した。

イ・セヨン記者monad@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/325729.html

原文: 訳J.S