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韓日市民が手を取り合い、100年越しの『関東犠牲者追悼文化祭』を開催

登録:2023-12-05 10:52 修正:2023-12-15 10:08
京畿文化財団「関東、100年の沈黙」 
今月9日、城南市の嘉泉大学イェウムホールで 
 
平和の木合唱団・埼玉合唱団の合同公演 
「真実を直視し、誤った歴史を繰り返さないように」 
埼玉も虐殺の現場 
「謝罪・反省の意を抱いて公演準備」
関東大震災から100年を迎え開かれる韓日合同追悼文化祭「関東、100年の沈黙」のポスター=企画会社ANTストーリー提供//ハンギョレ新聞社

 1923年9月1日、東京を含む関東地域で史上最悪の大地震が発生した。日本の歴史では関東大震災は過去最大級の自然災害の一つに過ぎない。しかし、いわゆる自警団の狂気で数千人が犠牲になった在日朝鮮人にとって、関東大震災時の虐殺は恐ろしい大災害として残っている。にもかかわらず、これまで韓日両政府の無視の中で関東大虐殺は忘れられてきた。今年、関東大震災朝鮮人虐殺100年を迎え、初めて「韓日市民合同追悼文化祭」公演が開かれる。

 京畿文化財団(代表ユ・インテク)は今月9日午後7時、京畿道城南市(ソンナムシ)の嘉泉大学イェウムホールで「2023韓日市民の合唱―関東、100年の沈黙」公演を行う。「いまここに鳴り響く韓日の平和と共生のハーモニー」を主題に、ハンギョレ平和の木合唱団と日本の埼玉合唱団、京畿少年少女合唱団、イ・エジュ伝統舞踊会、Mクラシックオーケストラ、そして在日コリアン2世の歌手イ・ジョンミなど、両国の芸術者たちが一緒に舞台を飾る。

 特に平和の木合唱団と埼玉合唱団は、2010年8月の「強制併合100年韓日市民大会」の時にソウルで「第1回韓日市民の合唱」合同公演を行って以来、これまでほぼ毎年両国を行き来しながら文化交流を行ってきた。

 「警官隊の警戒裡 哀の涙 怨の恨/悲しい弔辞と追悼歌で終わる/仁川で震災時惨死同胞追悼会―昨年9月1日の日本の関東地方震災時に惨死した同胞のために、仁川労働総同盟の主催で追悼会が開催された。同追悼会は1日午後8時半から市内の山手町の公会堂で開かれたが、定刻前から制服私服の巡査30人余りが警戒する中、定刻になり主催側である労働総同盟委員長のパク・チャンハン氏の開会で哀悼の辞が読まれた後、しばし黙想した。会衆は立錐の余地もなく1千人余りに達し、場内の空気は悲しき風が吹くように張り詰めた中……」

 今回の追悼文化祭は、「1924年9月1日当時、京畿道仁川市の公会堂(現在の仁聖女子高校)で関東大震災1周忌追悼会が開かれた」という旧日刊紙の記事をきっかけに企画された。

1924年9月1日、京畿道仁川市で開かれた関東大震災1周忌追悼会を知らせた「警官隊の警官裡 哀の涙 怨の恨」という見出しの記事=「朝鮮日報」1924年9月3日付//ハンギョレ新聞社
1924年9月1日「関東大震災1周忌追悼会」が開かれた、日帝強占期の京畿道仁川府山手町の公会堂の全景。現在の仁聖女子高校の多目的ホールの位置。仁川市史に掲載された写真//ハンギョレ新聞社

 すでに知られている通り、1923年、関東一帯でマグニチュード7.9の大地震が起こり、数万人が死亡し、数百万人が家を失いさまよう混乱の中、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が暴動を起こし、日本人を襲撃している」というデマがあっという間に広がり、日本の警察の庇護のもと自警団という市民組織によって朝鮮人大虐殺が行われた。第2の「3・1万歳運動」を警戒した日帝の統制にもかかわらず朝鮮人被害を調査した罹災同胞慰問班が1924年1月に発表した記録によると、少なくとも6661人の朝鮮人が犠牲になった。100年がたつ間、事件の真相と内幕は、さまざまな証拠と研究資料を通じて、日本政府によって捏造された扇動によって行われていたことが明らかになった。しかし、これまで日本政府はその責任を回避しており、一部の極右政治家は虐殺そのものを否定し、歴史歪曲論議を呼んでいる。歴代の韓国政府も公式に真相究明や謝罪を要求したことが一度もないほど「沈黙」を守ってきた。

 今回の追悼文化祭の総監督であり「関東犠牲者のための鎮魂曲」を作った平和の木合唱団の指揮者イ・ヨンジュ氏は「過去の歴史的事件をイメージあるいは音楽で表現することは、完全ではありえません。しかも、他人の記憶と記録に依存して組み合わせる方法では、事件を完全に記述することもできません。しかし、もどかしさを抱いたまま、一曲一曲作業をしなければなりません。今ここに生きている音楽家がしなければならない義務です。たとえ当時の目撃者ではないとしても、残された者として後代に証言を伝えなければならない責務があるのですから」と、「沈黙」を破る意味を明らかにした。

 埼玉合唱団の八反田誠(はったんだまこと)団長は、「犠牲者への追悼の気持ちとともに、関東(大震災虐殺)の真実を直視し、誤った歴史を絶対に繰り返さず、みんなで平和の未来に進むことを願う思いを伝えたい」とし、韓国側からの「初の韓日市民合同追悼文化祭」の提案を快く受け入れた趣旨を明らかにした。

2010年8月、ソウル成均館大学で平和の木合唱団と埼玉合唱団が「強制併合100年―第1回韓日市民の合唱」合同公演を行っている=ハンギョレ統一文化財団提供//ハンギョレ新聞社

 埼玉合唱団は、日本の埼玉県で1960年から活動してきた純粋な民間文化団体だ。東京都の北に位置する埼玉県は、関東大震災での朝鮮人虐殺の現場の一つでもある。ある団員は「2010年に『強制併合100年』合同公演で日本軍『慰安婦』被害者の方々に慰労と謝罪の気持ちを伝えたように、今回も心の中に韓国の人たちへの謝罪と反省を抱き、公演を準備した」と、個人的な感想を伝えた。

 追悼文化祭の第1部のテーマは「関東の記憶100年」。犠牲者の魂を呼び起こすイ・エジュ韓国伝統舞踊会のノクチョン(死者の魂を表す紙の人形)の舞いを皮切りに、大虐殺の惨状を平和の木合唱団と埼玉合唱団がオラトリオで観客に伝える。第2部は「懺悔と和解」の時空間を、歌手のイ・ジョンミ氏と京畿少年少女合唱団が両国の童謡などを通じて演出する。第3部では埼玉合唱団の単独舞台に続き、出演者全員が「平和と和合の大合唱」でフィナーレを飾る。

(以下のURLより「関東、100年の沈黙」公演の動画を見ることができます:
https://www.youtube.com/watch?v=UIvvHDGSoXc)

キム・ギョンエ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/1119056.html韓国語原文入力:2023-12-05 01:48
訳C.M

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