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[レビュー]日本語と違うのに…日本の辞典を引き写した韓国の国語辞典、大丈夫なのか

登録:2022-10-08 07:48 修正:2022-10-09 10:57
『国語辞典独立宣言:日本語の辞典を引き写した国語辞典を正す』 
パク・イルファン著|ソムアンドソム刊
『国語辞典独立宣言:日本語の辞典を引き写した国語辞典を正す』パク・イルファン著、ソムアンドソム刊//ハンギョレ新聞社

 (1) 一定の標準を定め、それに合うのかどうかを測定する検査。(2)統計学的方法を用いて一定の標本集団を対象に測定して広範囲な母集団に対応し、個々の測定値を評価できるようにした検査。知能検査、適性検査、学力テストなどがある。

 『標準国語大辞典』に収録された「標準検査」の意味の説明だ。『日本国語大辞典』のサイトに同じ単語を入力すると、この説明と99%一致する結果が出てくる。韓国の辞典は知能検査など3つの例を提示したのに対し、日本の辞典は知能検査だけを提示したことが、ほとんど唯一の相違点だ。

 『国語辞典独立宣言』の著者のパク・イルファン氏は、『標準国語大辞典』には、このように日本語の辞典を引き写したかのような説明が数えきれないほど発見されると指摘する。「それぞれの辞典で意味の説明の内容と方法が似ていることはありうるが、それを考慮しても、本当にまったく同じだ」。『標準国語大辞典』の「標準」という語の意味の説明からして盗作議論から自由ではないという点が象徴的に示すように、韓国の辞典が日本語の辞典と日本の百科事典に過度に依存しており、水準がなかなか上がらないと著者は指摘する。

 著者は、▽韓国ではほとんど使われない言葉だが、日本語の辞典や日本の百科事典で取りあげられているものを持ってきて、国語辞典に掲載したケース▽日本と韓国の両方で使われる言葉だが、日本語の辞典にある意味の説明をそのまま引き写したようなケース▽日本の植民地時代に短期間使われていたが、その後は使用されていない言葉であるにもかかわらず、特別の説明なしにあたかも今でも使われている言葉であるかのように掲載したケースを、文化芸術・経済労働・政治法律など分野別に紹介する。

 例えば、「通常議会」という単語は、『標準国語大辞典』では「定期的に召集される国会。韓国の場合、国会法により毎年1回、100日間の会期で召集される。=定期国会』と解説されている。韓国では「定期国会」と言い、「通常議会」とは言わない。にもかかわらず、見出し語として登録されたのは、日本語の辞典の影響によるものだ。通常議会という言葉は、日本で明治維新の後に作られた帝国議会で使われた用語で、現在も日本では「通常国会」という用語を使用している。

 『狂った国語辞典』(2015)や『国語辞典を懲らしめる本』(2019)などを通じて著者は、複数の辞典を引いても意味を十分に知ることができない国語辞典の問題を提起し続けてきた。その原因の一つが、日本語の辞典にあると著者はみる。「見出し語にもない見知らぬ単語が説明に入っている理由は、そのような単語の相当数が日本語の辞典の解説をそのまま写してきたため」だということだ。

チェ・ユナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/1061757.html韓国語原文入力:2022-10-07 11:57
訳M.S

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