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ソン・ウォンピョン『三十の反撃』、日本の本屋大賞「翻訳小説部門」1位

登録:2022-04-07 05:06 修正:2022-04-07 08:46
2020年『アーモンド』に続くアジア圏初の2回目受賞
作家のソン・ウォンピョン氏=ウネンナム出版社提供//ハンギョレ新聞社

 ソン・ウォンピョン氏の長編小説『三十の反撃』が、日本の2022年第19回本屋大賞の翻訳小説部門で1位になった。作家のソン・ウォンピョン氏は、2020年に小説『アーモンド』で同じ賞を得たのに続き、今回で2回目となるこの賞を受賞することになった。『三十の反撃』は、第5回済州4・3平和文学賞の受賞作で、韓国では2017年に出版された。

 本屋大賞は、2004年に書店の従業員らにより作られた賞で、インターネット書店を含む新刊を販売する書店の従業員の直接投票により選定され、本屋大賞、発掘部門、翻訳小説部門、ノンフィクション部門の4部門に分かれている。これまで、『容疑者Xの献身』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『蜜蜂と遠雷』 などを受賞作に選定しており、2012年からは翻訳小説部門を別に設けている。翻訳小説部門で英米欧州圏ではなくアジアの小説が受賞作に選定されたのは、2020年の『アーモンド』が初めて。本屋大賞の授賞式は、6日午後3時からオンラインで生中継された。

 『三十の反撃』は、東野圭吾氏や恩田陸氏など日本の主要作家の小説を出版する祥伝社から、『アーモンド』に続き矢島暁子氏の翻訳で昨年8月に出版された。この作品は、1988年に生まれ2017年に30歳(数え歳)になった主人公を中心に、権威意識や偽善、不当さと搾取の構図の矛盾なかで現在を耐え生きていく人々の特別な「反撃」を書いた。『三十の反撃』は、日本以外では中国と台湾で翻訳出版され、タイではある有力出版社からの出版が確定している状態だ。

 ソン・ウォンピョン氏は受賞の感想で、「『アーモンド』が感情についての話を扱っていたとすれば、『三十の反撃』は『どのような大人になるのだろうか』という質問で始まった作品だった」と述べ、「『三十の反撃』を書いた当時、私はとても息苦しく、先が見えない心情だった」と紹介した。ソン氏は「今、この瞬間にも、韓国だけでなく日本と全世界にも、当時の私と似た心情で奮闘する若者が多いと思う。そんな人たちに私の本が少しでも慰めになればいいと思う」と語った。

 ソン・ウォンピョン氏は、2016年に長編『アーモンド』で創批青少年文学賞を受賞し作家活動を始め、長編『三十の反撃』『プリズム』と短編集『他人の家』、童話『威風堂々キツネのしっぽ』を出し、多くの短編映画や長編映画『食われる家族』の脚本を書き演出した。シネ21の映画評論賞、第5回済州4・3平和文学賞を受賞した。

チェ・ジェボン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/1037797.html韓国語原文入力:2022-04-07 02:49
訳M.S

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