「『パラサイト 半地下の家族』(以下『パラサイト』)の勝利はKポップとドラマの人気でアジアですでに主なソフトパワーになった韓国エンターテイメント産業の分水嶺になるだろう」(米「ブルームバーグ通信」)
カンヌを超え、アカデミーまで席巻した「パラサイト・ブーム」で、Kソフトウェアに対する関心が急速に高まる中、『パラサイト』の投資配給会社であり国内1位のコンテンツ企業のCJENMの存在感も急上昇している。CJENMは『パラサイト』効果で高まった認知度を基に、映画をはじめドラマや放送など、北米コンテンツ市場を攻略するための歩幅を広げる計画だ。
CJENMは11日、映画『ターミネーター』や『6アンダーグラウンド』、『ミッション・インポッシブル』などを作った米ハリウッドの制作会社「スカイダンス」とグローバルコンテンツ共同製作及び投資のための戦略的パートナーシップを締結した。CJENM側は「スカイダンスとの事業協力を通じてプレミアムコンテンツの制作力とグローバルネットワークを強化する計画」だと発表した。CJENMは昨年11月、ネットフリックスともパートナーシップを結んで、今年から3年間で少なくとも21本のオリジナルコンテンツ製作に乗り出すことにした。全世界190カ国1億5千万人以上のネットフリックス契約者にCJENMの作品が届けられる。
CJは映画部門を中心に、すでに数年前から米国市場進出の扉を開いた。中国とともに世界ビック2のマーケットであり、グローバルボックスオフィスの売上の約30%を占める米国で成果を出すのは、全世界で成功を収めることに他ならない。CJENMは米「ユニバーサル・スタジオ」と米国版『サニー』を、制作会社の「ハートビート」とは米国版『エクストリーム・ジョブ』を制作することで合意した。CJが自ら製作するドレイク・ドレマス監督の『エンディングス、ビギニングス』(Endings、 Beginnings)はすでに撮影を終えた。この他に『かくれんぼ』や『怪しい彼女』、『無頼漢 渇いた罪』など10本を超える映画を米国現地で企画・製作中だ。北米配給会社ネオンのトム・クィーン代表はこれに先立ち、ハンギョレとのインタビューで「ネットフリックスなど動画ストリーミングサービス(OTT)プラットフォームを通じた韓国コンテンツの拡散がシナジー効果をもたらすだろう」と見通した。
ポン・ジュノ監督の『パラサイト』と『スノーピアサー』のドラマ化が進められる中、北米市場を攻略するドラマコンテンツ戦略にも弾みがついた。TVNのドラマ「ライブ~君こそが生きる理由~」(2018)は、地上波放送FOXのリメイクで、今年下半期に米国で放映される予定だ。CJのドラマ部門系列会社の「スタジオ・ドラゴン」が初期から共同企画した作品だ。TVNドラマの「記憶~愛する人へ~」(2016)も、米テレビ局「ショータイム」にフォーマット販売契約が完了し、今年下半期に米全域に放送される。
CJENMのユン・インホ・コミュニケーションチーム長は「『パラサイト』の成功で、世界中で韓国コンテンツに対する関心が以前より高まったことは、グローバル市場の攻略においても大きな好材料」だとし、「放送や映画、音楽など多様な分野でグローバルコンテンツのトレンドを主導するための努力を加速化させる予定」だと話した。