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朴正熙前大統領 30周忌 進歩・保守共同学術大会

原文入力:2009-10-18午後07:03:42
“国民国家形成に独裁は普遍”
“経済成長神話は誇張されたもの”

イ・セヨン記者

←朴正熙前大統領30周忌 進歩・保守共同学術大会

朴正熙前大統領について極端に交錯した評価を下してきた進歩・保守学界が再度激突する。彼の逝去30周忌を控え延世大東西問題研究院が19日‘朴正熙と彼の遺産’という主題で開く国際学術会議でだ。

ハム・ジェボン,パク・ミョンニムなど学者たち

政治・経済的遺産など議論

保守学者としてはハム・ジェボン米国ランド研究所首席政治学者とリュ・ソクチュン(延世大)・キム・ヒョンア(オーストラリア国立大)教授が、進歩側からはパク・ミョンニム(延世大),イム・ヒョクバック(高麗大),キム・ドンノ(延世大)教授が出て、朴前大統領が遺した政治・経済・社会文化的遺産などに対し発表する。保守学者らが概して彼の統治18年に落とした独裁の陰を払拭することに注力するならば、進歩学者らは朴正熙崇拝の中核を形成する発展神話の虚構性を暴露することに焦点を合わせる。

ハム・ジェボン博士は朴正熙政権の権威主義独裁を‘歴史的普遍’という次元で正当化しようと考える。統治方式が政治的に正しくなかったことは事実だが、それ以外には選択の余地がなかったという論理だ。彼は朴政権の成就として効果的な‘国民(国家)形成’を挙げるが、こういう政治秩序を作り出すに当たり‘政治的に正しい’方法のようなものが無かったという点に注目しなければならないと指摘する。その根拠としてハム博士はマキャベリやホップス,フーコーなどが揃って近代権力の抑圧性を普遍的で必然的なものと見なしたという点を挙げる。

一言で言えば朴正熙の独裁は「個人的な道徳的失敗に由来するものではなく、国民形成の根本的な逆説とアイロニーの反映」に過ぎないという話だ。抑圧統治の不可避性を後発国家の限界として特殊化するより、‘近代権力の根本的抑圧性’という普遍性の次元に引き上げたわけだ。

←左側からハム・ジェボン米国ランド研究所首席政治学者,パク・ミョンニム延世大教授

リュ・ソクチュン,ワン・ヘスク教授は朴正熙政府の遺産を擁護することから一歩進み、朴正熙式‘強い国家’の復元を促す。これらが見る時、朴正熙時代は‘強い国家’と‘強い社会’が対になり、戦略と実行の統一性を確保し、それにともなうシナジーを極大化したケースであった。朴正熙時代の成就には国家の能力だけでなく国家の戦略を受け入れ実行しながらも一方的独走は牽制した強い社会の役割が重要だったが、時間が流れ国家は弱くなった反面、社会は相変らず強い状態が維持され問題が生じているということだ。したがってこれらは“強い社会を後押しする強い国家”の必要性を力説する。
これに対抗する進歩側のパク・ミョンニム教授は朴正熙擁護論の核心根拠である経済的成就問題に集中的に食い込む。パク教授の戦略は朴正熙政府の時の経済的成就を同様な発展段階の国家、そして韓国の別の政府、更に互いに競争した北韓と比較することだ。彼は執権期間の経済成長率,政権委譲時点の外貨準備高,輸出増加率,物価上昇率などを比較した後、朴正熙政府の成就が同時代の台湾・中国・シンガポール・マレーシアはもちろん韓国の金大中・盧武鉉政府と比較しても決して目立ったものではなかったと結論付ける。

パク教授は、ただし朴正熙が金日成との対決で勝ったことは事実だが、その勝利には金日成が起こした戦争と以後の体制競争の意図しなかった効果,韓国内民主勢力の挑戦が重要な要因として作用したという事実を見過ごしてはならないと強調する。

キム・ドンノ教授は朴正熙長期政権の社会的動力を批判的視角で究明する。不法クーデターを通じて執権したにも関わらず長期間権力を維持できたのは強い抑圧や経済的成就のためではなく、独特の統制戦略のおかげだということだ。キム教授が注目するのは民族主義的理念操作とセマウル運動を通じた伝統的統制秩序の復元だ。理念的には民族を、日常的統治機構としては村共同体を前面に出し、個人が国家の抑圧性を直接被らないにすることにより政権に対する不満と抵抗を封鎖できたという分析だ。

20日まで延世大で続く今回の行事には、米国と英国,オーストラリアの韓国学研究者らも参加し‘朴正熙路線’と韓国式発展国家モデルに対する外国学界の評価と見解を紹介する予定だ。朴正熙時代に光を当てる学術行事は来月も続き、11月9日には進歩・改革指向学術団体とシンクタンクが主催する朴正熙討論会がソウルで開かれる。

イ・セヨン記者monad@hani.co.kr,<ハンギョレ>資料写真

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/382526.html 訳J.S