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建物の‘弱肉強食’

原文入力:2009-08-05午後09:34:18
イ・チャンソプ写真展‘分離空間’

ノ・ヒョンソク記者

←イ・チャンソプ作<S.S_1-19/B.D 85>

弱肉強食の論理は人と動物たちの間にだけあるのではない。巨大住商複合ビルが続々と建てられる大都市ソウルの都心再開発現場にも異種格闘技のような建築物の生存争いが繰り広げられている。

写真作家イ・チャンソプ氏は猟師のように建築物間の弱肉強食現場を追いかける。ソウル都心のあちこちを飛び回り、立派な新築建物とくたくたの低層ビルディング,昔の瓦屋根の家,仮設建物などとの決死戦(大慨は一方的だが)が捉えられる地点を発見すれば狙撃手のように近所の建物に上がる。そして乾いた視線でカメラアングルを捉える。

ソウル,寛勲ギャラリー(18日まで,02-733-6469)とソウル,里門洞スペイジプ ギャラリー(9日まで,02-957-1337)で開かれている彼の写真展‘分離空間’は都心の建築空間の中の権力関係を彼なりの視線で抉り出した結果を集めた。

展示場には鐘閣,清渓川周辺,広橋,小公洞一帯で見慣れない角度で撮った建物写真らが登場する。大概は地域のランドマークである大型ビルとその裏面のくたびれた古い建物の間の対立構図を建物の線と背景の対応で投影する。ビニール包装で覆われた古めかしい商店街,工場の仮設建物,瓦の家,古い低層コンクリート建物が大型ビルディング群の裏面や前面に大小さまざまに集まっていたりうずくまっている様子が捉えられている。

作家の視線や被写体の建築物らは皆ぼんやり浮いている。高空でも高層でもない低層や中層の建物の高さで主観を抑えて撮ったものだ。

評論家パク・ヘチョン氏が展示評文で分析したように、こういう構図は過去の空間への郷愁にからまった‘ロマン過剰の情緒’を持った散歩客の視線と不動産利権に捕縛された鳥瞰図の視線から自由だ。

旧日帝の敵産家屋の四角や丸の幾何学的窓枠と、その脇の最小化したア格子窓の新しいビル,垂直軸を取って立ち並ぶビルディング群前面にやぼったい屋根の甍と瓦屋根の家を表わし横にのびた仁寺洞の瓦家,高層ビルディング群に付いた小人のおもちゃのような感じを与える小公洞の昔の業務用建物などで線と形がさいなまれる造形物の構図で建築物の浮沈を読みとろうとする意図が伺える。

ノ・ヒョンソク記者nuge@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/369708.html 訳J.S