天安(チョナン)艦沈没事件の疑惑を扱ったドキュメンタリー映画<天安艦プロジェクト>が、上映禁止仮処分申請論難の末に5日、ソウル コエックスのメガボックスと京畿(キョンギ)高陽(コヤン)キンテックスのメガボックスなど、全国30館で封切りされた。
チョン・ジヨン監督が企画・製作した映画<天安艦プロジェクト>は、2010年3月26日ペクリョン島海上で発生した天安艦沈没事件と関連して提起された種々の疑問点を75分の映画で扱っている。 映画は天安艦沈没が北韓の魚雷攻撃によるものという政府の結論に反論して、暗礁に座礁した後に潜水艦と衝突した可能性などについて専門家の意見と事件の再構成等を通して証明して行く。
この映画は去る4月、全州(チョンジュ)国際映画祭で初めて公開され、保守報道機関と国防部、遺族たちの批判を受けて論議をかもした。 結局、天安艦事件当時に海軍作戦司令部作戦参謀処長だったシム・スンソプ准将と天安艦遺家族協会イ・インオク会長など5人が先月7日 "映画の内容が事実を歪曲しており当事者の名誉を傷つけた" として、裁判所に映画上映禁止仮処分申請を出した。
京畿(キョンギ)議政府(ウィジョンブ)地方裁判所高陽支所民事3部(裁判長 キム・ギョン)は封切り予定日を翌日に控えた4日 「映画の製作、上映は原則的に憲法上の表現の自由によって保障される。 映画は合同調査団の報告書と異なる意見や主張を表現したもので、虚偽事実を指摘し申請人の名誉を傷つけたとは見難い」として上映禁止仮処分申請を棄却した。 裁判所は「表現行為に対する事前抑制は検閲を禁止する憲法条項により他人の法益を侵害する場合であっても非常に制限的に許される。 映画は天安艦事故の原因を巡って国民が提起する疑惑に対する議論の必要性を表現しようとする意図で製作された点に照らしてみる時、虚偽の事実を指摘したと見ることはできない」と明らかにした。
民主社会のための弁護士会はこの日論評して「憲法上の表現の自由を確実に保護した裁判所の決定を歓迎する。 天安艦プロジェクトの上映が、この映画が込めようとしたメッセージどおり、わが国社会でより広い表現の自由と討論の自由が保障される契機になると期待する」と明らかにした。 映画を作ったペク・スンウ監督は「映画自体が写実的な話を扱っており、裁判所が合理的な判断をすると予想していた」と話した。 高陽/パク・ギョンマン記者 mania@hani.co.kr