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"運動したいのに…" セヌリ党討論に‘引っ張り出された’ ソン・ヨンジェ

登録:2012-10-30 17:46 修正:2012-10-30 17:48
イ・エリサ議員主催 体育人福祉法討論会 パネル 参席
運動に専念すべきと言っていた体育協会の二重的振る舞い 俎上に
ソン・ヨンジェ. 写真共同取材団

30日午後2時30分、国会憲政記念館。 ソン・ヨンジェはイ・エリサ セヌリ党議員が主催した‘オリンピックの感動そして挫折、体育人福祉法制定のための討論会’にパネルとして参加した。 パネルとは自分の意見を陳述し、討論し、決定まで行うという意味の英単語だ。 今18才、運動ばかりしてきたソン・ヨンジェが引退後の体育人福祉や、韓国スポーツの底辺拡大のための議論になぜ行ったのだろうか? ひょっとしてモデルとして?

 当初この日のパネルには重量挙げのチャン・ミラン、フェンシングのシン・アラム、体操のヤン・ハクソン、柔道のソン・デナム、ショートトラックのチン・ソンユの5人が参加することになっていた。 全員20才以上で、大学を卒業したか在学中だ。 ところが主催側はヤン・ハクソンが国際大会参加のために外れると‘代打’としてソン・ヨンジェを要請し、体操協会はすぐに応じた。

 ひどい話だ。 選手にとて二重、三重の苦痛だ。 新体操の天才ソン・ヨンジェは負傷に耐え自らを鞭打つしっかり者の少女だ。 彼女の素朴な望みは「運動したい時に運動すること」だ。 それがどうしたことか? 体操協会は去る17日イタリア セリエAクラブ大会登録のために空港まで行ったソン・ヨンジェの出国を阻んだ。 28日モスクワ現地訓練要請計画も強化委員会が握りつぶした。 いったいどういうことか?

 ソン・ヨンジェは世界を舞台に跳躍する選手だ。 モスクワにはエレーナ リピョルドバ個人コーチがいて、ロシア代表チームと一緒に練習する。 すべての費用はソン・ヨンジェが個人的に充当している。 来年のプログラムも組まなければならない。 ソン・ヨンジェ側関係者は「来年の新しいプログラムは休暇シーズンである12月を除いて大概10~11月に作る」として「規定が大きく変わるので準備することが多い」と語った。 さらにエレーナ コーチは 「なぜイタリア大会に行かなかったのか? はやくロシアに来なさい」と催促している。

 国会で体育人福祉のために新しい法を作ることに対してどうこう言うことはできない。 しかし運動を主な仕事としなければならない選手を、体育人福祉法討論会に呼ぶのは自然とは思えない。 イ・エリサ議員側関係者は<ハンギョレ>との通話で「パネルとして参加するためにソン・ヨンジェと基本的な概念を共有している」と言ったが、短い学習で討論ができることでもない。

 大韓体操協会の振る舞いも二重的だ。 ソン・ヨンジェが運動を熱心にしなければならないとして泰陵(テルン)に捕まえておいた時とは異なり、政府与党の立法討論会行事に率先して選手を送った。 協会との関係で弱者であるソン・ヨンジェは従わざるをえないが、傷ついたことだろう。 この日の討論会は体育人福祉法を制定するための出発だった。 しかし体育人福祉よりさらに緊急なのは旧態依然たる連盟・協会の既得権を壊すことなのかも知れない。 型にはめて選手たちを引っ張っていけば世界的な天才は出てこない。 選手の自律性と創造性を尊重し気を培うのが体育人福祉法より重要だという指摘が出ている。

キム・チャングム記者 kimck@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/558132.html 韓国語原文入力:2012/10/30 15:52
訳J.S(1530字)