本文に移動
全体  > 文化

鯨の腹の中‘子怪物’正体 180年ぶりに明らかに

原文入力:2012/08/29 21:33(1585字)

←二世紀前、発見された原始的な新型甲殻類として報告された‘怪物幼生’ (学名Cerataspis monstrosa)。 深海エビの幼生であることが明らかになった。 写真=タリル ペルダー

子は‘怪物’母は‘海老’…違うといえばあまりに違う深海海老の成体と幼生

米国の生物学者、分子遺伝学と遺伝子データベースで二世紀にわたる宿題解決

  英国の動物学者ジョン エドワード グレーは1828年イルカの胃腸の内部でおかしな動物を発見した。 1㎝余大の甲殻類だが、その顔付きが特異だった。 丈夫な皮と分厚い体にとがった装飾突起が出ている不思議な姿だった。 彼はこの動物が原始的な甲殻類の新しい族に分類し "とてもおかしな怪物" と描写した。

  その後、このおかしな動物は極めてたまに発見されたが、マグロやイルカの腹内でのみ姿を見せただけで、海で生きたまま捕えられたことはなかった。 最近も学界ではこの動物が成体ではなく深海エビの幼生である可能性があるという主張が出ていただけだ。

  幼生はたびたび成体とは大きく異る形態を帯びる。 幼生が成体の縮小版のようになったのは哺乳類でこそ当てはまるが、昆虫、魚、植物などでは幼い個体を区分する別途の学問分野があるほどに幼生と成体時の姿が違う。

  怪物甲殻類が深海エビと関連しているかも知れないと科学者が疑い始めたがあまりにも珍しくて証拠は捉えられなかった。

←2009年メキシコ湾で偶然に捕えられた‘怪物幼生’。 長さ11.9ミリで水深420メートルで捕えられた。 写真=タリル ペルダー 生態学と進化

  ところが米国ジョージ・ワシントン大の生物学者であるケース クレンダルがメキシコ湾で海の中層のプランクトンを調査していて偶然にこの怪物甲殻類一匹を採集した。 怪物甲殻類を巡る生物学の研究条件は去る200年間に大きく変わった。

  この怪物がどんな海老の幼生なのかを確認するには幼生を実験室で育ててどんな成体になるのかを確認すれば良い。 だが、あまりにも珍しいうえに深海と表層を行き来するこの幼生を育てることは不可能に近かった。

  だがクレンダル教授は最新の分子生物学を利用した。 この幼生の遺伝子を膨大な他の甲殻類遺伝子データベースと比較する作業を行ったのだ。

←遺伝子を分析した結果‘怪物幼生’の成体として明らかになった深海エビ(学名 Plesiopenaeus armatus)。長さ136ミリ。 写真=ペクグネット、生態学と進化

  その結果この怪物幼生の成体は全く似ても似つかない大西洋深海エビだという事実が明らかになった。 赤い色のこのエビはロブスターと似ていた。

  クレンダル教授は「200年近く謎として残っていた問題が解けて興奮している」として「遺伝子分析のおかげで関連性を確認することができた」と話した。

←余りにも異なる幼生と成体。写真=生態学と進化

■記事が引用した論文原文情報

Phylogenetics links monster larva to deep-sea shrimp
Heather D. Bracken-Grissom,Darryl L. Felder,Nicole L. Vollmer,Joel W. Martin & Keith A. Crandall
Ecology and Evolution doi:10.1002/ece3.347

チョ・ホンソプ環境専門記者 ecothink@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/ecotopia/549194.html 訳J.S