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ホン・ミョンボの疎通と包容、ベスト4神話再び

原文入力:2012/08/06 06:46(1852字)

←5日未明(韓国時間)英国ウェールズ カーディフのミレニアム スタジアムでPK戦の末に英国を撃退した韓国選手たちが歓呼して競技場を走っている。 中央にガッツポーズで喜ぶホン・ミョンボ監督の姿が見える。 カーディフ/オリンピック写真共同取材団



用兵術・守備強化 まぶしい作戦
自らを低くする長兄型カリスマ
選手たちも信頼に応え“猛活躍”
「こんな後輩たちの監督で誇らしい」

“魂”と“疎通”、ホン・ミョンボ監督の登録商標だ。

 選手たちには情のある兄であり、叔父だ。 問題が生じても「だめだ!」とは言わない。 その代わりに、いたわり疎通することで心を動かす。 かといって放任ではない。 2009年20才以下の青少年代表チーム監督として初めて指揮をとった時、「魂を注ぐ隣のおじさんのような監督になる」と言った。 “兄貴リーダーシップ”に基づくカリスマがホン・ミョンボ監督の力だ。 過去の先輩たちの誰もが「あいつはどこか恐ろしい奴だ」と言ったという程だ。

 5日(韓国時間)英国単一チームを破って史上初のオリンピックベスト4に上った日。 インタビュールームに現れたホン監督はいつものままだった。 表情も声も興奮したり浮き立ったところはなかった。 じっと抑えている。 内圧が高まるほど響きは強い。 時には果敢に時には緻密に選手団を促す。

 疎通のリーダーシップは配慮と包容から生まれる。 勝利には明るく笑ってみせたが決して自らの手柄にはしない。 ホン監督は選手たちに主人意識を植え付け、常に疎通し配慮するチームの雰囲気を維持する“一番上の兄貴”としての監督の位置を創造した。 胸の奥深いところから出てきた勝利の所感は「そのような(優れた)後輩たちの監督であることが誇らしい」というものだった。

←オリンピック サッカー代表チーム選手たちが4日(現地時間)英国カーディフ ミレニアム スタジアムで開かれた英国との競技でPK戦5-4で勝利し、肩を組み勝利を祝っている。 カーディフ=オリンピック写真共同取材団

 垂直的で抑圧的な監督と選手の関係は水平化された。 相互浸透し交流する。 彼を指導した監督たちは多くが機関車型監督だった。 しかし“賢い”ホン監督はその長所だけをもらってきた。 例えば1992年バルセロナ オリンピックの時に韓国チーム監督だったデットマール・クラマーが選手たちを「私の息子」と呼ぶことに衝撃を受けた。 暖かい家族愛が可能なことを見た。 ディック・アドフォカート監督からはキメ細かさを、ピム・ベアベック監督からは周到綿密な訓練計画を学んだ。 パク・チュヨンが兵役問題でよろついた時、あたかも実兄のように一緒に記者会見に臨み、パク・チュヨンと代表チームの共生を図った。

 今回の大会でホン監督は記録に依存するサッカーに没頭した。 相手チームに対する正確なデータを入手し、それを分析して適切な対策をたてた。 ヨーロッパのサッカー指導者がなぜ相手チームの競技の姿を撮ったテープを何度も繰り返して見るのかホン監督は知っている。 英国選手たちがPK戦に弱いということをホン監督はすでに知っていた。

←オリンピック サッカー代表チーム ホン・ミョンボ監督が4日(現地時間)英国カーディフ ミレニアム スタジアムで開かれた英国との競技でPK戦5-4で劇的な勝利を収めた後、ガッツポーズで歓呼している。 カーディフ=オリンピック写真共同取材団

 ホン・ミョンボ監督はかなり前からロンドンでの戦いを準備してきた。 2002年ワールドカップの時、ホン・ミョンボ監督はスペインとのベスト8戦で血も凍るようなPK戦の最後のキッカーとして韓国をベスト4に押し上げた。 今度は監督として再び“ベスト4神話”を再現した。 本当に越えられそうになかった“サッカー宗主国 英国”の壁をひらりと跳び越えた。 そしていまや“優勝候補ブラジル”と向き合っている。 ホン監督は再び目をとじた。 ブラジル ファイルをいじくり始めた。 ブラジルとの戦場となるマンチェスター、オールドトラフォード競技場の喊声を、その勝利と奇跡の叫び声を・・・。

ロンドン/イ・ギル先任記者 nihao@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/sports/soccer/545798.html 訳A.K