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漫画に見る88万ウォン世代 哀歓

原文入力:2008-12-14午後08:12:51
ここも落第 あそこも脱落…昨日は夜勤 今日は徹夜…

キル・ユンヒョン記者

無限動力・ナム・キハン エリート作りなど
20代 率直に描いた漫画相次ぐ

不況の時代を生きていく‘88万ウォン世代’の悩みを込めた漫画が相次いで登場し話題を呼んでいる。

先ず注目される代表作はポータル ヤフーに連載中である1981年生まれ作家チュ・ホミン氏の<無限動力>、漫画には平凡な20代の青年三人が登場する。主人公チャン・ソンジェは二十七才、民国大学経営学科4年生だ。彼は金融会社に就職し高額年俸をもらうのが夢だが、現実は厳しい。あきらめるにも希望を持つにも中途半端な‘スペック’(出身校・単位・TOEIC成績など就職に影響を与える条件)のソンジェは下半期金融会社公開採用書類選考で‘1勝17敗’というみじめな成績だった。ソンジェの下宿の隣室には公務員試験準備2年目のチン・ギハン、その前の部屋にはソンジェと同い年のネール アーティスト キム・ソルが住んでいる。

チュ・ホミン作家は「漫画の登場人物は皆周辺の友人たち」と話した。平凡な20代の悩みを込めるために就職準備生,公務員試験準備生,アルバイト生を登場人物として選んだ。

ネイバーには1982年生まれのホン・スンピョ氏の<ナム・キハン エリート作り>が連載されている。公務員試験に続けて落第したナム・ギハンは、ある日小学校4学年に戻った自分を発見する。連載が8回まで進み、まだ本格的な葛藤が登場してはいないが絶望の現実から突破口を探そうとする20代の奇抜な想像力が光る。過去に戻ったが小学校4学年ができることは多くない。 無理して全財産をかけて株式投資をしようとするお父さんを止めようと一生懸命忠告をしてみたが反対に殴られただけだった。キハンは結局‘すっかり’滅びた両親とみずぼらしい家に引っ越しする困苦を経験する。

就職をしたところで大して変わらない。1982年生まれのホン・イネ作家は去る9月出版された<思春期 会社員>(アニメブックス)で5年目になる広告会社員ルナのどたばたの話を描く。漫画は‘記憶しなければ無かったことになるようで恐ろしかった’という作家がプレゼンテーション準備で徹夜しながらときどき書きおろした‘絵日記’だ。ルナはオアシスのような休日を二日酔いでフイにして苦しんだり、度重なる徹夜でもうろうとしたまま監督に「最終原本はインターネットディスクのマイ・フォルダーさんに上げて下さい!」という電話をかけるなど失敗を連発する。

去る8日出版された日本漫画<オタク サラリーマン>(アニメブックス)もガールフレンド一人いない29才になる日本の新入社員の哀歓を愉快に描く。

これら漫画の共通点と言える魅力は自身の生き生きした経験に根を下ろしたディテールだ。<無限動力>のソンジェは「昨日は昼飯が3500ウォンは高いという話をしたのに、今日は年俸3500だと自慢話をするんだな」(8話)と独り言を言う。<ナム・ギハン エリート作り>のナム・ギハンは“ナム.ギ.ハン.  あなたの名前は合格者名簿にありません。もう一度お聞きになりたい場合は「1」を、前の状態に戻る場合は「#」を押して下さい”(1話)という合格照会サービスを聞いて挫折する。

‘1勝17敗’、最後の希望が絶望に変わった日、ソンジェは下宿屋保証金を受け取り出て行こうと決心する。「序盤ラッシュを受けたといって、すぐにあきらめるなよ”(52話)ソンジェに向けた隣室キハンの叫びは相次ぐ失敗でがっくりしている同年代に作家が伝える率直な慰労に聞こえる。

キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/327591.html

原文:  訳J.S