原文入力:2011/10/31 20:07(1894字)
正時のニュースでオ・セフン市長の清掃指導のニュースを伝えた<交通放送>
←キム・ヨンミン時事評論家
アン・チョルス ソウル大教授がソウル市長選出馬可能性を残していた頃だった。彼が主催する青春コンサートに招待されたキム・オジュン<タンジ日報>総帥が 「市長になったら私に<交通放送>をくれ」と言った。パク・ウォンスン ソウル市長が候補だった時にも同じ要求をした。もちろん全部冗談だった。しかしパク市長の当選後、キム総帥は 「その欲望をあきらめた」として冗談を言った。常識的に地上波放送は公共財であり誰のものとか言う物ではない。
しかし実際に‘接収’した人がいた。 イ・ミョンバク、オ・セフン両前職市長だ。個人的に奇異なことを体験した。この放送に固定出演していた2009年のある日、正時ニュースでオ・セフン市長が清掃を指導したというニュースを聞いた。<交通放送>職員に尋ねると「全部知っていながらなぜ聞くの。‘青い旗’(訳注:与党ハンナラ党の旗は青い)がささって以来、私たちには日常茶飯事です」と答えた。急に1983年9月1日、大韓航空機がソ連戦闘機に撃墜され搭乗者269人全員が死亡した日、<韓国放送> ‘ニュース9’が「全斗煥大統領がソウル、清雲洞(チョンウンドン)で水清掃を指導された」というニュースをトップで扱った‘テンチョンニュース’(訳注:時報が'テン'と鳴った途端に、チョン・ドゥファン大統領は・・・と始まるニュースを謂う)事例が思い出された。
進歩市長パク・ウォンスンのソウル号がスタートした。地上波FM2局とDMB、ケーブルTVなどをサービスしている<交通放送>を部下に持つことになった。それでパク市長がこれを戦利品として認識し温存するのか、あるいは公営的構造に改編し市民に戻すのかが関心事だ。
<交通放送>はソウル市都市交通本部の傘下事業所だ。一般企業に例えれば無力な子会社であろう。それなら外形は放送、すなわち言論だが、経営と人事、会計体系もこれに準ずるのだろうか。違う。他の放送の場合、聴取率が核心価値である反面、<交通放送>はソウル市政の広報回数および内容を成果として問い詰めるのだ。「放送の適合性は<交通放送>ではさほど重要な価値ではない」というのが職員の証言だ。
事実、市民に市政を広報することが誤りだとは言えないだろう。だが、住民投票参加を誘導する文案を放送中にコメントとして消化した点でも、オ市長が‘市長職’を賭けると公言した後に音楽プログラムすら与党指向という定評のある評論家を並べて議論させた部分、住民投票一日前の出勤時間帯にオ市長を電話で呼び出し発言権を与えた点。これらはどう見るべきだろうか。その前の市長であるイ大統領が中央権力の首長になり<韓国放送>、<文化放送>等の公営放送の社長の椅子に側近を座らせる形で掌握した点を思い起こせば間違いない。
他の有数の放送は労組を設立し、傘下に公正放送委員会を置いてこういう専横を監視している。それでは放送の健康性を実現するために<交通放送>ディレクター・記者・アナウンサーは何をしたのだろうか。全くない。しかし彼らを恨むだけでは駄目だ。後進的人事構造の被害者であるためだ。これら放送製作陣は身分上、地方契約職公務員に該当する。5年ごとに再採用を受けなければならない。このようにして4回‘無事通過’して初めて公務員年金の恩恵を受けられる。人事権を持った人が内部統制する上で都合の良い構造だ。合わせて自身の、だから自身を取り立ててくれた市長の指向と欲望に従い、いくらでもプログラム編成と製作および人事を敢行できるシステムだ。そのためなのか労組や公正放送のための製作職員中心の内部監視機構は存在しない。聴取率が下降傾向で、離職率が高まっていて、放送の影響力も縮小されていて、合わせて予算浪費論議も拡大している。<交通放送>にとってイ・ミョンバク、オ・セフン執権期は‘失われた10年’だ。
取り上げてはならない事案があり、出演してはいけない対象があるハンナラ党政権の<交通放送>. パク市長の代には変わらなければならない。重要だ。<交通放送>がどんなアイデンティティを持つかという点は、進歩執権時代に言論の自由がどれほど保障されるかを計る尺度になるから。
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/503309.html 訳J.S