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[おい! 韓国社会]サムスンが韓国を去ることは可能か/ソン・デイン

原文入力:2011/10/05 19:18(1789字)

韓国の様な「財閥天国」は
まともな先進国のどこにもない

←ソン・デイン金光洙経済研究所副所長

昨年の法人税実効税率は16.6%で、2008年20.5%、2009年19.6%に続き、継続して低下しているという。昨年の法人税名目税率22%より5.4%ポイントも低い。各種非課税および減免恩恵を受け、企業が実際に払う法人税負担は、名目税率よりかなり低いという意味だ。

このような非課税減免の恩恵が集中する対象は財閥企業だ。筆者が国税統計年譜資料を基に分析してみると、2009年法人税減免税額6兆7000億ウォン中、40%を越える2兆7000億ウォンが、全対象企業の0.0004%に過ぎない上位47大企業に帰される。こういう恩恵を集中的に受けた結果、昨年のサムスン(三星)電子と現代自動車の法人税実効税率は、それぞれ11.9%と16.5%であった。

状況がこうであっても、既得権勢力は「韓国の法人税負担が高く、企業が食っていけない」と騒ぐ。例えば朝鮮日報は「サムスンが韓国を去ったら」という題名のコラムで[訳注:原文 日本語訳「もしサムスンが韓国からいなくなったら」 (要登録)]、「韓国の法人税の最高税率は22%で、台湾(20%)、シンガポール(17%)、香港(16.5%)に比べて高い」と主張したことがある。しかし、韓国の法人税率は、2009年基準の経済協力開発機構(OECD)加盟国30ヶ国中、22番目に過ぎないほど低い。

経済大国の日本とアメリカが法人税率1位と2位を争っており、韓国より経済水準が高い国々は大部分、韓国より法人税率が高い。日本の主要企業のソニーとトヨタ自動車などは、30%台の法人税を負担している。むしろ、ハンガリー・チェコ・トルコ・スロバキア・ポーランドなど、韓国より経済水準が低い国々の法人税率はさらに低い。OECD加盟国で法人税率が最も低い国はアイルランドとアイスランドだが、これらの国は深刻な金融危機と財政危機を経験した。過度な減税政策で流入した投機資本が、不動産バブルを膨らませ、結局、深刻な金融・財政危機につながったのだ。

既得権メディアが比較対象として主に言及する香港・シンガポールなども、アイルランドやアイスランドのように法人税を低めて外国資本を誘致して生きている都市国家だ。 こういう例外的事例を挙げて韓国の法人税負担が高いと主張するのは、わい曲に近い。

実は韓国ほど「財閥企業が食ってい」き易い国も珍しい。現政権は庶民が物価不安に苦しめられる状況でも、輸出大企業のために人為的な高為替レート政策を実施した。その結果、財閥企業は経済危機の中でも為替レート効果を通じて、史上最大の売り上げを祝うことができた。

また、どの先進国で、起亜と現代自動車という事実上の単一会社が、内需市場の80%を占有し、新車モデルが出てくる度に、自動車価格を勝手に上げることができるだろうか。 脱税で摘発される場合は仮釈放のない終身刑を宣告されたり、寡占や談合をした場合、企業が解体されるほどの課徴金を課せられたり、これに相応する処罰を受けねばならないアメリカやヨーロッパ先進国で、サムスンのような財閥企業が、果たして生き残ることができるだろうか。サムスンのように数十万人の職員を率いても、「無労組経営」を続けることができるだろうか。わずか1~3%の持分で全グループを支配して、グループの資産を個人資産のように流用・横領しながら、無税で経営権の継承ができるだろうか。現在、国内の財閥企業が享受している超法規的特権を、法治主義と市場経済秩序が確立された先進国で、果たして保証されるだろうか。

断言すると、韓国のような「財閥天国」は、まともな先進国のどこにもない。したがって、サムスンなどの財閥企業が韓国を離れる可能性はない。心配する必要はない。その代わり、国民経済を犠牲にして財閥を総力支援したために枯死していく、産業生態系と庶民経済を心配しなさい。財閥総力支援体制を克服できなければ、やがて韓国経済は窒息して死んでしまう。

ツイッター @kennedian3
原文:https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/499401.html 訳 M.S