原文入力:2010-11-25午前08:31:20(1525字)
延坪島砲撃事件の責任所在を問い詰めるのは無駄なことだ。どんな理由であれ正当化できない無謀な挑発を北韓が犯したからだ。それでも南側政府は安保管理無能力に対する責任を免れるわけではない。いったい国民の生命と財産を保護する能力がこの政府にあるのか疑わしい。
何よりも李明博大統領と大統領府の対応が問題だ。イ大統領は事件が起きた直後の一昨日午後3時50分「断固として対応するものの、戦争拡大がされないよううまく管理しろ」と指示したと大統領府関係者が発表した。安保状況の責任を負う軍統帥権者として当然の初めての対応であり、自ら適切な原則を提示したものだった。ところが大統領府は暫し後に「戦争拡大されないよう万全を期せ」という発言だったと修正し、後ほどには「大統領は‘戦争拡大されないように管理しろ’という話はしたことがない」と話を根本から変えた。
大統領府は当初の発言は実務者が誤って伝えられたことだと解明したが、全く説得力がない。大統領が最初のブリーフィング内容のとおり軍に指示したが、何らかの理由で指針を変えたことが明らかだ。南北間に砲撃戦が広がる安保危機状況で、大統領が指針をフラフラ変えることは非常に不適切だ。先ずは軍が疑問を感じるだろう。イ大統領は危機状況で国家指導者の信頼基盤を自ら駄目にしてしまった。
言葉を変え新しくした指示はより一層紛らわしい。イ大統領は合同参謀指揮所を訪ね「北韓ミサイル基地も(挑発の兆しがあれば)場合により打撃しろ」とし、昼間とは正反対に強硬対応を注文した。イ大統領はまた「民間に対する無差別砲撃を加える相手には交戦遵守規則を跳び越える対応をしなければならない」とも話した。
これはややもすると全面戦争を触発しかねない非常に危険な指示だった。たとえば北韓がミサイルを発射したのでもないが、兆しだけはあるとして基地を先制打撃するならば、北韓は全面戦争で対応する可能性が高い。南側は国際法的に先制侵攻の責任もかぶることになる。交戦遵守規則を跳び越える対応を堂々と指示したことも同じだ。果たしてイ大統領が言葉の意味の深刻性を理解しているのか疑問を感じるほどだ。
軍の対応もまた再び弱点を露呈した。李明博政府になり、対北韓強硬政策に旋回することにより北の挑発が増加することは十分に予想された状況だった。実際に軍当局者らは水も漏らさない対応態勢を何回も公言した。
しかし実際、砲撃事件当日、軍は北が電話通知文を通じ行動を警告したのにこれという事前措置を取らなかった。延坪島民間人を待避させず、そのまま危険に露出させた。軍指揮部が駐留兵力に非常をかけていたならば人命被害を減らすこともできただろう。わが軍の対応砲撃ものろま疑惑を消すことはできない。軍当局が延坪島海域で護国訓練を実施したと言っておき、日常的な射撃訓練だとし言葉を変えたのも国民を紛らわしくさせる。
今回の事態は李明博政府の外交安保政策の問題点を総体的に示した。北韓が安保上重大威嚇となったことは昨日今日のことではない。こういう状況で政府は対話を通じて北韓を管理することに失敗した。それでいて国防態勢をきちんと整えるわけでもない。代りに機会がある度に "何倍で報復" するという感情的扇動と言葉の爆弾だけを撃ちまくるだけだった。我々の安保不安感は政府の非現実的な実力以上の虚勢のためにより一層深まっている。
原文: 訳J.S