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[社説] 殺人的な物価上昇、根本対策が見えない

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/441904.html

原文入力:2010-10-01午後08:21:49(1115字)

去る9月の消費者物価が一年前より3.6%も上がった。食卓に毎日上がってくる新鮮野菜は84.5%も暴騰した。サンチュやカボチャ、大根若菜などは何と200%を超えて騰がった。十分に殺人的な上昇率だ。引き続く低金利基調で市中資金が豊富に解かれており、ややもすると慢性的な物価不安につながりかねない状況だ。野菜価格さえ下がれば物価が安定するという安易な展望だけをしている時ではない。

今回の物価暴騰は猛暑と豪雨など気象悪化による野菜類作況不振が大きいことは確かだ。それでも、空だけを見つめていることはできないということだ。最近になって異常気候が日常化している。今は気象異変を数年に一回ずつ起きる仕方ない変数として片付けてはならない。いつでも異常気候が現れうるという前提の下で野菜類需給対策をたてなければならない時だ。栽培方式の多様化や流通過程革新等を通じて野菜類を安定的に供給できる根本的な体系を作らなければならない。生産者と消費者が共生しながら安定した価格で野菜類を供給しているハンサルリム(ひとつの暮らし)・チョロクマウル(草緑の村)・生協などが一つの手本になるだろう。

昨日、政府があたふたと野菜価格安定対策を発表した。中国産白菜100tと大根50tを無関税で輸入し、越冬白菜の出荷時期を操り上げるということが主要内容だ。だが、対応時期がとても遅れたうえに、輸入量も多くなく大きな効果を期待することは難しい。統計庁の発表によれば、秋夕(チュソク)連休の集中豪雨以前にすでに野菜類価格が暴騰していた。それでも、これを事前に安定させることができる効果的な対策をたてることができなかった。今回の対策でも越冬白菜の出荷時期を操り上げるといったが、後で不足したキムチ漬け白菜はどうするのかに対する色好い対策はない。直前に迫った状況だけ避けて見ようという短期的で近視眼的な対策ばかりだ。

中国産野菜が入ってきて、白菜や大根の出荷量が増えれば、物価はある程度下がりはするだろう。だが、野菜類の構造的な需給不均衡が解消されない限り、物価下落には限界がある。政府も3%台の物価上昇率が続くと予想しているはずだ。しかも韓国銀行が基準金利を年2.5%水準に凍結しているなど、景気拡張政策を持続している。あちこちに物価上昇要因がかくれている状況だ。経済政策の最優先目標を物価安定に置かなければならない所以だ。

原文: 訳J.S