原文入力:2010-09-14午後08:40:57(1896字)
←チョン・ムンテ国際紛争専門記者・アジアネットワーク編集長
"不法が明らかになった長官候補らを公職に座らせる社会で、芸能人が賭博したことはなぜそんなに取って食べるように喚き散らすのか?"
韓国の事情に結構明るいインド、ドイツ、タイ、日本の記者たちと昨日コーヒー店でテーブルを囲んだ時に出てきた質問だ。それでなくともシン・ジョンファンという芸能人について言論が喚き散らすのを見ながら‘集団狂気’を感じていたところだった。政治や財閥のような権力の前では限りなく縮こまっている報道機関らが、芸能人一人を責めたて、フィリピンまで追跡取材チームを送ったという消息を聞き息がぐっと詰まった。
あらかじめ言っておきたいが、私は元々芸能界に関心がないばかりか、外で長く暮らしてきたのでそちら側の事情は全く分からない。そして実際に人々がシン・ジョンファンにどれほど関心が多いのかも分からない。だとしても、これはおかしい。シン・ジョンファンが賭博をしようが個人の問題だ。賭博は政府が許諾しているし不法でもない。
市民は賭博などしようと思えばできるし、しなくてもかまわない。掛け金が大きいとか、借金をしていようが、そんなことは全て個人の問題に過ぎない。いつから他人の借金にそんなに関心が多くなったのか? もし彼が賭博をしたとして、その過程で法を犯したことがあるならば手続きに従って罰を受けるのも個人の問題であるだけだ。
政府を見よ。長官候補者10人の中でただの1人も全て法を守った者がいなかった。その者たちを不法が明らかになったからと言って捜査をしたこともない。大統領は結局その者たちを長官の椅子に座らせた。
これは大統領が語ったという その公正な社会ではない。
シン・ジョンファンが嘘をつこうが、そんなことは個人の問題だ。嘘は政府もついてきたし不法でもない。市民は嘘をつくこともありうるし、つかないこともある。また、その‘公人’云々だが、いつから芸能人を公人と考えてきたか? もし彼が嘘をついたとして、その過程で誰かに害を及ぼしたとすれば当事者が持つ道徳的基準により非難され、法的基準に従い処罰を受けるのも個人の問題だ。
政府を見よ。本物の公人である外交長官をはじめとする高級公務員たちが子供たちをずる賢く就職させ嘘までついた。その公的な嘘は不法だが、まだ捜査をするという声は聞こえてこない。
これは大統領が語ったというその公正な社会ではない。
シン・ジョンファンが契約を破ろうが個人の問題に過ぎない。契約破棄は政府もしてきたし不法でもない。市民は契約を守る事もあり守らないこともある。放送会社と結んだ契約条件により止めようがしまいがそうしたのは全部晴れたことだけのことだ。 いつから皆が立ち上がって放送会社日程と事業まで心配したのか? もし彼氏がその契約を破って放送会社が損害をこうむったとすればその契約書規定により損害を賠償するのも晴れたことだけのことだ。
政府を見よ. 契約を破って不法に数千億ウォンを取りまとめたイ・ゴンヒ三星電子会長も、チョン・モング現代起亜のため会長も全部解いた。 人々はその不法らをまともに捜査したのかさえも疑わしがる。
これは大統領が話したというその公正な社会ではない。
シン・ジョンファンはまだ捜査を受けてもいないし起訴もされていない あなたや私のような市民であるにすぎない。ところが世の中が立ち上がり一早く袋叩きにしている。常識もある社会ならばそうはしない。これは今と言う時期をを覆い隠す怪しい陰謀だ。天安艦と聴聞会であらゆる嘘、不正、不法が明らかになったその時をいい加減に覆ってしまおうということだ。今、市民社会が興奮する対象はそのような芸能人個人のことではない。芸能人一人を撲滅対象と感じて追いかけているほどの余裕はない。
今は大統領が語ったというその公正な社会の正体に食い込み監視することが至急必要な時だ。その公正な社会を大統領と政府の手に預けておくことはできない状態だ。その公正な社会の道案内とならねばならない大統領も、その公正な社会を執行しなければならない警察と検察と監査院も全て不公正な社会を作った主人公だからだ。
チョン・ムンテ国際紛争専門記者・アジアネットワーク編集長
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/439779.html 訳J.S