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[社説] 帝国の黄昏とイラク侵攻の結末

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/437680.html

原文入力:2010-08-31午後09:07:33(1103字)

イラク駐留米軍戦闘兵力の撤収が完了することにより、米国は昨日イラク戦闘任務を公式終了した。ジョージ・ブッシュ前大統領の開戦命令で2003年3月20日イラクを侵攻し何と7年5ヶ月ぶりだ。来年まではイラク軍警を教育・訓練する5万人の非戦闘要員が残るが、イラク戦は事実上 終了段階に入った。晩時之歎(訳注:時 すでに遅し)だが、戦争の顛末を冷静に分析し教訓を見出す時だ。

米国侵攻の名分は大量殺傷武器を除去しイラク人をサダム・フセインの虐政から解放することだった。だが、大量殺傷武器は存在しなかった。侵攻のための偽りの名分であることがすぐに確認されたのだ。すると米国はフセインを除去し、イラクに民主主義を持たらしたとして熱心に侵攻の意味を付与してきた。しかし、イラクの現実を覗いて見れば、その虚構性はすぐ明らかになる。イラクが去る3月に総選挙を行った後 半年が過ぎたが、政府さえ構成できていないのが端的な例だ。イラク軍警も米国が去った空白を埋めるには非常に脆弱だ。民主主義を語れる状況ではない。

反面、その間にイラク人たちが払った代価はあまりに大きい。イラク戦死亡者数調査団体である‘イラク ボディーカウント’は、米国の侵攻から去る7月までに民間人死亡者が10万人余りに達すると明らかにしている。戦闘兵力まで合わせれば、その数は2倍に肉迫する。戦争で生活の基盤を失った難民も200万人に達し失業率は30%に近い。

侵攻は米国にも途方もない費用を要求した。米国がこの戦争に使った金は7500億ドルにもなり、来年までには8000億ドルに達すると予測される。ジョセフ スティグリッツ前世界銀行副総裁たちは米国経済に及ぼした影響まで考慮すれば実際費用は3兆ドルになると見ている。人命被害も少なくなく8月現在4400人余りの米軍が亡くなり、3万2000人余りが負傷した。さらに深刻な打撃は正当性のない戦争で世界に対する米国の影響力が急速に弱まった点だ。

今や米国は何のためにこれほど多くの犠牲者を作り出し費用を払ったのか、真剣に振り返ってみなければならない。圧倒的な火力の優位にも関わらず、ベトナム戦争に続き この戦争にまで勝つことができなかった所以も綿密に見回さなければならない。米国が自身の歴史と現実を正面から凝視することこそ米国はもちろん世界の平和と安全を守る基礎になるだろう。

原文: 訳J.S