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[世相を読む] 天安艦事件、深く読み対応すること/パク・ミョンニム

原文入力:2010-05-17午後09:30:49(1906字)

←パク・ミョンニム 延世大教授・政治学

国民皆が家族と共に泣いた、突然に迫った悲劇 天安艦事件を現実と歴史でどのように価値あるように位置づけるべきだろうか? 急な事件であるほど私たちは当惑と理念偏向を越え冷静に現実的未来的利益を計算し深く長く省察して備えなければならない。

何より先に天安艦事件の意味は国民生命保護の問題だ。国民生命保護の一次責任は政府にある。戦争防止を含めその国民には軍人も含まれる。金剛山パク・ワンジャ氏の犠牲、開城工業団地のユ・ソンジン氏長期抑留にもかかわらず-南北関係改善にも対応強化にも-対策を樹立できない政府はついに軍人46人を失ってしまった。先ず国民の生命保護の失敗に対し政府は責任をとり再発防止策を樹立するべきだった。しかし平時に罪のない国民46人を失っても、未だに軍と政府の誰も責任を負うでもなく処罰も受けずにいる。

第二に、国家安保と国民統合の危機問題だ。両親奉養・貧困・家族生計・学業など天安艦犠牲者たちの海軍志願と乗船理由は彼らの死に劣らず私たちを悲しませる。その犠牲の裏側で国家最高位職ら-大統領・総理・国家情報院長・大統領秘書室長・大統領政策室長・監査院長・与党院内代表・財経部長官… -はあまりにも多くが軍隊へ行かなかった。個別的兵役免除の理由を考慮しても、韓国で‘国民皆兵制’という事実上‘階層兵制’‘下層皆兵制’に移転している。李明博政府は民主化以後、国家高位職の最高兵役免除率を示している。身分・職業・財産に関係なく国家防御義務を遂行する国民皆兵制の最大成果は国家安保・国民平等・国民統合・愛国心の画期的向上であった。天安艦事件が対応させた一般国民と保守政府核心人士の兵役事項は国民統合と愛国心を誰が保守したのかを問わせている。

第三に、南北関係と国内政治次元だ。一回の言葉や事件で悪化した南北関係を復元することがどれほど難しいか、この間の南北関係社はよく示している。その点で李明博政府は今 岐路に立っている。国家安保を強化する中で、今回の犠牲をどのように意味ある現実と歴史に昇華させるだろうか? 要するに今は残る任期2年半の間の南北関係断絶、北核対話中断、韓半島問題主導権喪失、韓半島状況不安化の契機にするのか、あるいは南北関係安定、北核対話再開、韓半島問題主導権復元、韓半島状況安定化の契機にするのか、重大な別れ目である。大統領は今歴史と対面しているのだ。

現在、韓半島の軍事的緊張で最も大きな利益を見る側は、外部との敵対を通じ内部団結を向上し核武装を加速化しようとしている北韓だ。大統領と政府は‘一部’対決主義や軍部の責任回避論理に陥り‘北韓全体’を利する選択をしてはならない。南北対決と北韓攻勢の状況でも、冷血的な実用主義で対話を推進した朴正熙の馬鹿力と現実主義を借りてくることを願う。残った任期2年半を虚しく過ごすということは結局、任期5年全体の南北関係・韓半島問題に該当する。その上、2000年4月の首脳会談発表と16代総選挙結果、2002年2次北核危機到来と盧武鉉当選、2007年10月の2次南北首脳会談と李明博当選に見るように南北関係と国内選挙は直接的相関関係がないほど民主化以後の韓国市民意識は成熟している。そうであるから政権もまた、国内政治次元の北風活用誘惑は当然脱ぎ捨てなければならない。

第四に、国際次元だ。1894年小さな農民蜂起に対する政府の誤った対応は、結局 清・日に対する招請と全面介入・日清戦争に至り、それはついに韓国の浮遊国家化に連結された。韓国は小さな問題でも全体的国際状況により慎重に対処しなければならない。部分で全体を損なってはならない。20年の努力でかろうじて構築した韓-米同盟強化と韓-中協力強化の並行、韓-米安保同盟と韓-中経済協力の二重奏を天安艦事件一つで傷つけてはいけない。また、中国に対する発言権の喪失は、6者会談・北核・南北関係・韓半島問題の発言権萎縮に連結される。

天安艦事件で犠牲になった魂を最もよく賛える道は、彼らの犠牲に基づき再びこういう悲劇がないよう大韓民国と韓半島の安定と平和を強固にすることだ。悲劇を国家徳性の発揮契機にする理性的リーダーシップ、今 それは大統領と政府にかかっている。

パク・ミョンニム延世大教授・政治学

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/421201.html 訳J.S