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[社説] 自らの過ちは見ようとせず無茶な声ばかり高める軍

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/418644.html

原文入力:2010-04-30午後07:40:16(1080字)

犠牲将兵を送った我が社会がしなければならない急務は天安艦惨事の原因と対応態勢の問題点を明確に糾明し対策をたてることだ。このためには客観性と冷静な姿勢を維持することが何より必要だ。しかし、軍の一部では予断を持って特定の方向に事態を追い込もうとする試みが相次ぎ憂慮される。

キム・ソンチャン海軍参謀総長は一昨日の永訣式で 「我が国民に大きな苦痛を与えた勢力らが誰であろうと我々は決して座視しない」として「最後まで捜し出し、より大きな代価を必ず払わせるだろう」と話した。相手を特定しはしなかったが、事実上 北韓を狙い報復を確認する語感を濃厚に漂わせた。事故原因さえ明確に明らかになっていない状態で、いったい誰を相手にどのように代価を払わせるのか納得しがたい。民軍合同調査団が明らかにした‘非接触水中爆発’の可能性すらその根拠が十分に提示されていない。

さらにキム総長は誰よりも自粛しなければならない立場にある人物だ。原因が何であれ惨事を防ぐことができず、事件発生後にも救助装備と人材を効率的に動員できないなど、大きな弱点を見せた。基本的に軍は自身も守ることができなかった点で、これで果たして国民の生命と財産を保護できるのかという疑問を呼び起こした。キム総長は海軍の最高責任者として問責対象になりうる状況だ。こういう人が自己反省もなしに外部に矛先を転じるのはとても不適切な態度だ。自身に集まる責任論を希薄にさせようとする意図が濃厚だという疑いまでもたれる。

キム・テヨン国防部長官が昨日、国会国防委員会に出席して「必要時(北韓に対して)武力示威をする提供戦力を持っている」として、武力示威の可能性を挙論したことも不適切だった。現時点で武力示威を挙論するのは、南側が安保不安を増幅させる行為だとして批判を受ける可能性まである。核爆撃機の配置を検討しろとの国会議員の質問に答える形式だったとは言え、国防政策責任者として慎重さに欠ける行動だ。

軍はまた、既存戦力強化方案の修正を挙論している。だが、今回の惨事では装備よりは軍の規律、訓練、作戦統制など運用能力の弱点がさらに深刻なことが明らかになった。主敵概念明示なども性急で適切でない。客観性もなく責任回避性格が強いこういう動きは、将兵の犠牲に報いる態度ではない。

原文: 訳J.S