原文入力:2010-02-17午後08:37:27(1595字)
←ウ・ソクフン2.1研究所所長
フランスに社会党という政党がある。ミッテランが14年間執権したが、その後シラク、サルコジを経て困難に陥っている。政策的には社民主義程度を標ぼうするが、永らく執権をしたためか図体も大きく大小の腐敗事件で時々人々に衝撃を与えたりもした。左派政党も執権期間が長くなれば腐敗するが、そのような社民主義政党の腐敗とともにヨーロッパでは緑色党が躍進をすることになる政治的条件が用意されたわけだ。
とにかくこういう一般的な常識で見るならば、韓国で本格的に社民主義政党を表明する政党はまだないが、進歩新党が創党し‘左派’あるいは‘社民主義’程度を掲げられなかったことは私たちの現実を示している。韓国には 「あなたは左派か?」と尋ねれば概して3%程度がそれでも返事をし、「あなたは進歩か?」と尋ねれば30%程度がそれでも返事をする。韓国の進歩は国際基準で見れば中道右派程度の政策地形を持っているが、執権に成功したハンナラ党は右派内でもはるかに右側に行っていると言える。ハンナラ党の政治右傾化を先導するものはどうしても韓国経済の土建化と関連がある気がする。去る3年間、政治は右に右に行っていたが、進歩程度を選択した40%ほどの中産層と中道指向の票がハンナラ党に傾く現象が起きていたようだ。
こういう渦中で最近新しく躍進を希望する政治家たちが掲げた政策の妙な変化が眼につく。親イ系列のハンナラ党本陣は相変らず土建と新自由主義を中心に置いているものの、これらと競争しなければならない政治家たちは少なくとも政策という枠組みではるかに左に来ているところだ。ソウル市長出馬を準備中のウォン・ヒリョン議員は無償給食を当然のこととして受け入れ、親パク陣営でも‘福祉韓国’というフレームを準備中と理解している。ハンナラ党内部で社民主義政策を積極的に導入しようとする流れは実験段階を越えて一種の流行のように広がっているところだ。その結果、民主党も驚いてさらに左に動いているところだ。教育政策を始め‘無償’という表現が増加している。昨年お目見えした‘ニュー民主党’が右クリックをしたとすれば、今回出てくる‘ニュー民主党プラン’は左クリックしたわけだ。形だけで見るならば、朴槿恵 ハンナラ党前代表が福祉というフレームを持ち出すため、ぞろぞろと左に更に押されていく流れだ。去る数年間の‘能動的福祉’が仕事をする人にだけ福祉恩恵を与えるということならば、職業を求めることができずにやむを得ず労働状況に入れない人にも福祉を提供するという‘積極的福祉’側にハンナラ党の非主流らが動いているわけだ。こういうことではヨルリンウリ党の遺伝子を継承したユ・シミン前長官の国民参加党の政策がハンナラ党非主流よりさらに右側ということが起こりうる。あまりにも‘左派’というレッテルを付けるからそうなのであって、韓-米自由貿易協定(FTA),非正規職,国土開発とゴルフ場建設などの特徴を持ったヨルリンウリ党の政策は保守よりは右派に近かった。
今年の地方選挙で2012年総選挙と大統領選挙に至るまで、今の能動的福祉と教育改革の流れはより一層強化されそうだ。本来、去る大統領選挙の時には李明博候補が中道程度ではないかと思ったが、当選以後に土建極右側に大きくぶれた。政治は継続して右傾化しているが、政策は少しずつ左傾化する今の局面、それこそ時代のフレームの変わり目だといわざるをえない。新自由主義のクライマックスが過ぎていることは確かなようだ。
ウ・ソクフン2.1研究所所長
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/405217.html 訳J.S