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[時論]チョン・ウンチャン総理候補に望む/チョ・グク時論

原文入力:2009-09-06午後07:40:48

←チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授

イ・ミョンバク政府はチョン・ウンチャンという多目的用‘安全パイ’を持ち出した。チョン総理候補はイ・ミョンバク政府が最近持ち出してきた‘中道実用’路線をより一層進め、チョン候補に求愛した民主党を“鶏を追った犬が屋根を見上げる格好(横取りされた)”にした一方、与党内の大統領選挙候補を牽制し忠清圏の民心をつかむカードであるためだ。

民主党など野党はチョン候補を“変節者”と批判する。しかし、チョン候補は初めから‘進歩派’経済学者でもなかったし、キム・ジュンニョプ前高麗大総長のような‘志士’でもなかった。彼は政治的には中道的自由主義を、経済的にはケインズ主義を堅持してきたので‘中道実用’路線の強化に加担したからと非難することは難しい。すでに‘準政治家’の道を歩いてきた彼はどちら側に自身の身をのせることが利益なのか経済学的に確かめてみただろう。その結果、2人の前職大統領の逝去以後にも再執権のビジョンと展望を出すことができない民主党より、イ・ミョンバク政府がさらに投資価値があると判断して‘オールイン’したのだ。

筆者はチョン候補が自身にふさわしく行動できることを願う。また彼がこの間、イ・ミョンバク政府が見せた‘乱暴な逆走行’にブレーキをかけ、慎重に速度を調節する‘右折’を先導することを希望する。しかし状況はそれほど楽観的には見られない。彼は‘帝王的大統領’の‘逆鱗’に触れてはならず気勢騰騰な大統領の‘家臣’と‘創業功臣’を合わせ持たなければならない。事実現行大統領制下で国務総理は実質的権限を多く持ってはおらず、保障された任期があることでもない。‘新自由主義’と‘強行保守’で骨髄まで武装した‘MBメン’らが簡単に立場を変える様子もない。チョン候補の専攻である経済分野だけ見てもカン・マンス氏が経済特別補佐官として、ユン・ジンシク氏が政策室長および経済首席でどんと座っている。‘公安統治’を率いた大統領府,検察,警察,情報機関内‘公安派’が人事権者でもないチョン候補の顔色を伺うことは皆無だ。

既にチョン候補は分岐点上に立っている。最初は4大河川事業,金融-産業分離,減税政策などに対する自身の所信を畳み、イ・ミョンバク政府の‘雇われマダム’になる点だ。二番目は政権内部の闘争を甘受し国政運営の方向を本当に‘中道実用’側に数歩移しておく点だ。前者は非常にやさしいが後者はかなり難しい。チョン・ウンチャン氏は学者と教授として人望を積んだ。しかしそれに対する最終的な歴史的評価はイ・ミョンバク政府国政運営の核心責任者として彼がいかなる役割をしたのかにかかることになるだろう。

紙面の関係で筆者はチョン候補が国務総理として赴任した時に直ちにしなければならないこ二つだけを建議しようと思う。最初は龍山惨事の解決だ。事件発生後7ヶ月を越えるというのに、病院の霊安室冷凍庫には葬儀も行うことが出来ない五体の遺体がある。宗教団体と市民社会団体は連日政府の謝罪と問題解決を要求する集会を開いているが、政府は私人間のことに過ぎないとし無視している。‘公安統治’の正当性が毀損されはしないかと恐ろしいのだ。龍山惨事の解決されない国民統合というのはたわごとに過ぎない。龍山第4区域を訪問する国務総理の姿を期待する。

二番目、非正規職法の忠実な執行だ。最近発表された労働部の非正規職労働者実態調査はこの間の労働部,与党,保守言論が主張してきた‘100万解雇大乱説’が真っ赤な嘘であったことを示した。経済学者の彼はすでに我が国の非正規職労働者比率が経済協力開発機構加入国家中で最高水準であることを知っているだろう。労働市場は‘柔軟性’の他にも‘安全性’が重要なことも知っているだろう。非正規職の正規職転換を誘導する政策樹立の先頭に立つ国務総理を見たい。

チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/375262.html 訳J.S