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[社説] ‘文明の共存時代’ 宣言したオバマ演説

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/358926.html

原文入力:2009-06-05午後09:55:06

米国とイスラム関係の新しい出発を促したバラク・オバマ米国大統領の一昨日エジプト,カイロ大学演説は米国の対中東・イスラム政策転換を知らせる記念碑的なものだ。彼は時には協力し時には葛藤した二つの地域の歴史を顧みて「差を通じて関係を規定する時、憎しみと葛藤を助長するこれらが力を得ることになる」として、今こそ疑いと不和の悪循環を終わらせ相互信頼と相互利益に土台を置いた新しい出発が必要な時と強調した。

オバマが語ったようにキリスト教圏の西側世界とイスラム世界との間には、長い間の葛藤の歴史が存在する。十字軍戦争と植民主義の傷痕などもう少し遠い過去からイラクとアフガニスタンに続く今の戦争に至るまで、二つの地域の間には対決と葛藤の歴史が繰り返された。石油利権とユダヤ人ロビーに左右されるという米国の対中東政策がこういう対決と葛藤を招いた重要な要因であったことは十分に知られた事実だ。特にテロとの戦争を名分に一方主義的対決政策を繰り広げたジョージ・ブッシュ前大統領時期に、米国とイスラム圏の間の葛藤は最高潮に達した。ブッシュの一方主義はむしろイスラム世界での極端勢力を煽り強化させたことにより、この地域はもちろん世界をもより一層不安定にさせた。

オバマはこういう過去と決別すると宣言した。物理力を前面に出し一方的にゴリ押しする代わりに、対話と妥協で共同の利益に到達するということだ。彼の演説で何より注目しなければならない部分はブッシュ政権が悪の枢軸と非難したイランの平和的核利用権を尊重しイスラエルの自決権と同じようにパレスチナの自決権をも尊重しなければならないと語った点だ。イスラエル偏向を克服せずには対イスラム関係の根本的改善は不可能だという認識の反映だ。

オバマはこの日の演説でイスラム圏の対米不信の打破に初めて足を踏み入れた。しかし乗り越えなければならない山は相変らず多く高い。彼の引き止めにも構わずヨルダン川西岸に定着村を建設するイスラエル問題やイランの核問題は決して簡単ではない。言葉ではなく行動を見守るという冷静な視線はこういう理由からだ。平和はどちらか一方の力だけでは可能ではない。イスラム圏とイスラエルも過去の歴史を率直に反省し新しい時代を開こうと手を差し出したオバマとともに平和共存の時代を開いていく責任がある。

原文: 訳J.S