原文入力:2009-05-20 午後 10:29:34
政府が、全国民主労働組合総連盟が出した対話の提案を見向きもせず不法デモ強硬対策だけを出した。 葛藤を調停して社会安定を試みなければならない政府が逆に葛藤を煽った計算だ。政府は進んですべての葛藤を力で押さえつけて鎮圧するという方針を公然と明らかにした。「新公安統治」または「新緊急措置」時代がきたという話が出るのが決して変なことでない。
政府は昨日、先週末行われた民主労総と貨物連帯の集会と関連した治安関係長官会議を開いて、全員検挙・厳重処罰・民事訴訟などの超強硬対策を繰り返した。民主労総が苦心の末に出した非正規職雇用保障など5項目の交渉要求には目もくれなかった。一昨日、李明博大統領は貨物連帯の「竹槍デモ」に言及して厳正対処を指示したのに伴った強硬な追い込みだ。
不法デモはなくならなければならないということに反対する人はないだろう。問題は不法デモを問い詰める前に平和デモを保障しているかという点だ。警察は申告制になっている集会を事実上許可制で運用して、自分たちが任意に色を塗っておいた(※訳注:「マークしておいた」という意味であろう)団体の集会を元から封鎖している。また平和的な街頭行進にも無理に攻撃的に対応して、衝突を呼び起こしている。 大田(テジョン)で先週末起こった過激デモは、こういう過程から出た不祥事だ。
さらに根本的な問題は、社会的葛藤を扱う政府の旧態依然な方式だ。政府は葛藤の根本原因を直そうとするよりは、溢れでるほかはない社会的不満を警察・検察・行政力を総動員して、ぎゅっと防ごうとする。このような形の抑圧的対策が効果もなくて国力だけ浪費するという事実は数十年にわたった民主化運動の歴史がちゃんと見せている。
政府は今からでも「押しつけ式法治」を片隅に追いやって、「民心と通じて葛藤を治癒する政治」を生き返らせなければならない。これは4・29再補欠選挙に現れた国民の意思でもある。その第一歩は、長官たちが「言うことを聞かない人間は皆捕まえる」と脅迫だけするのではなく、人々がなぜ街に出てきてそこで何を話すのか、そして解決策は何なのかを探りに現場に走って行くことだ。民主労総が1998年の経済危機以後初めて社会全般の経済・労働政策を置いて対政府交渉案を出したことは大きい意味がある。政府はこういう大切な機会をのがさずに葛藤の根本治癒に乗り出すことを望む。
原文 https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/355984.html
翻訳:T.M