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[ユレカ] ブログとジャーナリズム

原文入力:2009-04-19午後08:27:26
オ・チョルウ記者

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‘1人メディア’ ブログの活躍は今は新しい話でもないが、ブログが科学メディアとしても影響力を広げているという便りは眼を惹きつける。専門家と大衆とをつなぐことがメディアの役割の一つとよく言われるが、専門家が直接大衆と疎通することにより、こういう枠組みが揺れるためだ。科学ジャーナル<ネイチャー>が先月 ‘オールド メディア押し出し’ という企画記事で伝えた科学ブログとジャーナリズムの現住所はメディア生態系の変化を示す。米国では科学ジャーナリズム全盛期に90種余りにも及ぶ新聞が科学セクションを別に置くほどであった。ところが数年間で威勢が失われたという。経営難で科学セクションをなくす新聞が増え、新聞に文を書くジャーナリストは大幅に減った。事情は異なるがヨーロッパでも同様の傾向だ。

反面、科学者ブログは上昇勢を示す。研究室の科学者たちがブログに科学の文を書くことが増えて、人気の高いブログは週に50万件の閲覧記録を立てた。<ネイチャー>,<ディスカバー>,<ワイアード>のような専門媒体らは科学者のブログ ネットワークを強化している。もちろん科学ブログがジャーナリズムに代わることができるかは大きな論議の種だが、専門家の知識に依存しなければならないジャーナリズムの影響力は減った。ジャーナリズムが広報資料に依存していることも多くなり、批評水準が以前と同じではないという診断も出ている。

6月末英国で開かれる ‘科学ジャーナリスト世界会議’ のサイト(wcsj2009.org)からもこういう変化が感知される。会議主題を見れば、ニュー メディアと危機という話が目立っている。その一方で、ややもすると誇張と賛辞に流れやすい科学広報を警戒と批評の見識を問い直す主題もたくさん眼に触れる。ジャーナリズムが危機の時代に、自己のアイデンティティを問い直す意識的努力のように見える。いや、新しいメディア生態系でジャーナリズムが本来の役割を果たしているかを問う反省でもある。

オ・チョルウ記者cheolwoo@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/350636.html 訳J.S