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[社説]ユーチューブ追い出してインターネット後進国になろうとするのか

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/349154.html原文入力:2009-04-10午後07:13:37
世界最大のインターネット企業グーグルが、政府のインターネット実名制拡大方針に反発し韓国内でのサービスを一部遮断した。これで実名制対象であるユーチューブ ハングルサイトでは動画やコメントを上げることができなくなった。結局憂慮した事態になった。世界のどこの国にもないインターネット実名制のために、私たちは一日2千万人以上が利用する世界最大のサイバー空間を事実上失うことになった。

各国政府がユーチューブを積極的な広報空間として使っている状況で私たちだけ孤独な迷子になったわけだ。果たしてこれが政府が望んだ結果なのか率直に訊ねたい。
単にユーチューブだけの問題ではない。インターネット実名制は基本的に表現の自由を侵害する可能性が大きい。表現の自由には明確に責任が伴う。とは言え、すべての表現を実名にしなければならないということではない。放送インタビューをする時、出版物を出す時でも匿名表現の自由がある。これを否認して実名制に固執することは、インターネット世論を政府統制の下に置く意図と解釈されても仕方がない。

インターネットが基本的に匿名の空間だという事実を認めなければならない。どんな媒体にも固有な特性があるということだ。自由な匿名の空間として出発したインターネットを、法と制度で縛れば政府の意図どおり実名制が定着するというものではない。むしろ他人の住民番号を盗用したにせ物IDが幅をきかす可能性が高い。成熟したインターネット文化を望むならば、むしろ個人情報保護のための対策から急いで整えなければならない。

水を遮れば他に回って流れるはずだ。実名制のためにユーチューブ ハングルサイトを利用できなくなったが、米国にサーバーを置くユーチューブドットコムを利用し迂回すれば、国内からでもいくらでも動画やコメントを上げることができる。ただし国を韓国と選択しなければいいだけだ。 実効性がないという話だ。実名制はまた国内利用者らを国外サイトに追い出し、私たちのインターネット産業と文化を萎縮させるだろう。

サイバー論客ミネルバの拘束で我が国はインターネット世論統制国という汚名を背負っている。ハンナラ党はまた、被害者の意志と関係なしに司法当局の判断により刑事処罰が可能なサイバー侮辱罪まで推進している。時代の流れを遡ることであり、インターネット後進国を自ら招来することだ。インターネットはすでに国境を越えて久しい。自由なインターネット空間を政府の定規で統制しようとする愚かな考えは捨てるべきだ。

原文: 訳J.S