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[社説] ‘徹夜労働撤廃’に歩み出した現代車

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/549465.html原文入力:2012/.0/8.30 19:11(1420字)
 現代自動車の労使が来年3月から徹夜労働をやめて昼間連続2交代制を導入することで昨日暫定合意した。労働者の健康悪化の‘主犯’として挙げられてきた徹夜労働を撤廃して、長時間労働を短縮する大きい歩みが我が国を代表する事業所で踏み出されたのだ。正社員の労組全体の組合員の賛否投票という最終承認手続きが残っているが、今回の労使合意の精神が夜間労働をする100余万の労働者の生活の質の改善に重要な契機になることを期待する。  自動車業界などに蔓延した徹夜労働がどんな弊害を産むかは改めて取り上げ論じる必要はない。事故の危険が大きいだけでなく慢性疲労、うつ病、消化器疾患などの可能性を高める。2007年の国際癌研究所は深夜労働を鉛、アセトアルデヒドなどと同じ‘第二レベルの発ガン物質’と規定することも決めた。特に徹夜労働が長時間労働と合わさると労働者の健康に致命的な脅威になる。現代車の場合、昨年の現業職の平均労働時間が2678時間で、我が国の労働者の年間平均労働時間(2193時間)より485時間も長かった。経済協力開発機構(OECD)国家の平均である1749時間に比べれば何と1.5倍にもなる。
 このように副作用が明確なのに徹夜・長時間労働の悪習が消えないのは労働者の給与体系が時給制であったためが大きい。少しでも多い収入のために手当てがつく夜間・残業を拒まないのだ。このような点から現代車が徹夜労働の撤廃とともに時給制を月給制に切り替えることにしたことは望ましい決定と評価するに値する。
 ところが現代車の労使合意に残念な重要課題がないものではない。今回の合意で工場の一日の稼動時間が20時間から17時間に減ることになったが、これに対しともなう生産量の減少を保全する手段として新規人材採用を確定しえないのが代表的だ。現代車は今年前半期だけで4兆9982億ウォンの当期純利益を記録するなど経営状況が非常に良いのに、労働時間の短縮を働き口の創出に結びつける社会的責任をまっとうしないわけだ。
 何より8000人余りに達する社内の下請け労働者の不法派遣問題に対する結論が出されないことは大変残念だ。会社側と正社員の労組は非正規職の労組まで参加する特別交渉を通じてこの問題を続けて議論する方針というが、どうしても関心が減って交渉が遅々と進まなくなりえる。‘不法派遣を認めることはできない’という会社側の態度が変わらなかったせいだ。会社側は一日も早く不法派遣を認めて、社内下請け労働者の正社員化のための交渉に積極的に出ることを望む。
原文: 訳T.W