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[社説]北の理念論争介入はおかしい

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/537341.html原文入力:2012/06/12 19:05(1380字)
 北朝鮮が、セヌリ党の大統領選候補たちが同国を訪れた際の行程を公開できるとして、わが方のイデオロギー論争に本格介入してきた。北の祖国平和統一委員会(祖平統)は一昨日、「従北(訳注・北朝鮮のシンパ)の清算騒動で得られるのは嘲笑と辱めしかない」という題名の公開質問状を通じて、朴槿恵・前セヌリ党非常対策委員長、チョン・モンジュン議員、キム・ムンス京畿道(キョンギド)知事の言動を公開する意向を表わした。その内容が何かは占めても、品に欠けた行動であり、つまらないものと言わざるをえない。  北の意図は何種類にも解釈しうる。まずあげられるのが12月大統領選挙政局に対する介入だ。祖平統は "従北騒動は危機感をあおって選挙政局を保守の再選に有利に持ち込むためのもの" という認識を示した。しかし北に関連した動きは、最近行われた選挙ではかえって逆効果を示している。1996年の15代総選挙の前に行われた北の板門店(パンムンジョム)銃撃事件が、北風(訳注・反北朝鮮ムード)が威力を発揮した最後の選挙であろう。あの時は銃撃事件が安保心理をあおって、与党である新韓国党が大勝した。金大中政権の時である2000年4月の総選挙直前の6・15南北首脳会談発表と、2010年6月地方選挙を前にして急遽発表された天安艦事件の調査は当局の思いとは反対の効果をうんだ。
 わが方の従北論争を弱めて、与党がこれ以上従北攻勢をできないようにブレーキをかけようという意図もあるだろう。パク、チョン委員長が "いろいろな所を見学しながら北朝鮮寄りの発言を少なからずした" とかチョン議員とキム知事を指して"北での発言を全て公開すると南の民衆が発作を起こすだろう" と言う表現から、そんな意図が伺える。また、わざわざわが方の反発をあおって‘敵対的共存関係’を強化しようという考えもありえる。3代世襲体制を確固とすることが当面の課題である北としては、わが方と対決の雰囲気を作るのが必要なのかも知れない。
 このような事情と関係なく北の態度は浅はかで妥当でない。南北は軍事的に対立していても、和解と協力を通じて最終的には統一しなければならない特殊な関係だ。このような流れの中で、パク、チョン委員長をはじめとする政治家たちが和解と協力の次元から北を訪問し、儀礼的な話もし、贈り物も渡しうる。
 北がこういうものまで持ち出して、公開とか何だとか言って反発してくるのは、逆恨みの類といわざるをえない。北はこのような攻勢が、かえって自分たちに不信感を抱かせるきっかけなるという点を悟らなければならないだろう。同時にわが方の当事者もやみくもな従北攻勢がこのような介入の口実を与えたのではないかと振り返ってみることを望む。
原文: 訳T.W