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[社説] 麗水エキスポの夢のために

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/532440.html原文入力:2012/05/11 19:24(1396字)
 最近、海をめぐる列強の対立は昔の大航海時代、征服の時代を連想させる。広い海原の暗礁の岩の一つをめぐっても各国は総力戦を繰り広げる。中国、日本、ベトナム、フィリピンそして米国まで加わった東アジア海洋での対立とあつれきはその象徴だ。武力衝突まで心配される。海は今や一つの国の未来を決定し盛衰を左右するキーになった。
 海を主題に海上で開かれる‘2012麗水(ヨス)国際博覧会’が身近に感じられる理由だ。しかも海を対立や征服、欲望の対象ではなく、多くの生命が一緒に暮らして繁栄する根拠地として位置づけるという点で特別な意味がある。海と人類の共存、海が人類に与えたプレゼントなどをキャッチフレーズに掲げたテーマ館は、そのような熱望の表れだ。人類の特に私たちが成し遂げた最先端のIT技術で繰り広げられる各種の展示と公演のパフォーマンスは人間と海、そして海が内包するすべての生命の美しい調和の可能性を見せる。
 際立って見えるのはその品格だ。‘生きている海、息づく沿岸’という全体のテーマからしてそうだ。生命に対する関心と愛情が、落ち着いて我慢強くにじみ出てくる。このような超大型行事につきもののの金の臭いがしない。組織委は海と沿岸の重要性、環境保全の価値、自然と人間の調和をひたすら強調している。近ごろ最高のマーケティング要素である品格を逆に利用したといえるが、だとしてもその品格と教育的効果がすたれることはない。
 そのような麗水エキスポが今日から93日間の長い道のりに入る。準備はできた。最先端のハイテク技術が結集された超大型デジタルギャラリー、世界最大のスカイタワーのパイプオルガン、3万4千の海洋生物を育む巨大なアクアリウム、多様な海上パフォーマンスは私たちのレベルを一層高めるのに申し分ない。そのうえ天が召した最高の自然環境と住民たちの暖かい心も備わっていて、足りないものはない。評判はすでに海外でいっそう高まっている。米国のニュース専門チャンネル<CNN>は麗水エキスポを今年ぜひ行くべき旅行地として選び、世界的な旅行案内書<ロンリープラネット>は今年必ずすべき10のことに‘麗水エキスポ観覧’を挙げた。
 少しだけ欲を言えば、国民の暖かい関心と理解そして参加だ。海はすべての生命の母であり揺りかごだ。今やその海まで汚染と破壊に苦しんでいる。乱獲で沿岸の生命は枯渇して、温暖化で海洋生態系は撹乱している。生きている海、息づく沿岸の夢を見守る理由はそれだけでも充分だ。組織委は細心の配慮でこれに報いなければならないだろう。
原文: 訳T.W