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[社説]江南の投機緩和は富裕層を潤すだけだ

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/532267.html原文入力:2012/05/10 19:07(1454字)
 政府が昨日ソウル 江南(カンナム)3区の投機地域解除などを含んだ‘住宅取り引き正常化案’を発表した。分譲権転売制限の緩和、民営住宅の重複当選制限の廃止など、不動産投機を防ぐための既存のすべてのふたを開けてしまった。政府が率先して投機をしても良いという信号を送るのと違わない。特に江南3区に対する規制を全て解くことによって李明博政府が‘大金持ち政権’であることをもう一度確認させられた。  今回の対策は不動産政策に対する政府の誤った認識から出発した。政府は最近住居価格の下落が続いて住宅の取り引きが減り庶民経済の困窮が増していると見ている。そのために取り引きの活性化のために各種規制を撤廃するという。だがこれは本末転倒だ。いかなる政府であっても不動産政策の最も大事な目標は市場の安定だろう。そうならば住宅価格の安定が最優先の課題だ。住宅取り引きの活性化は副次的な問題だ。ところが政府は住宅取り引きの活性化のために住居価格の上昇をあおるというのだから、ことの大小を取り違えている。
 住宅価格が経済全般に衝撃を与えるほど急落すれば浮揚策を使うことはありえる。しかし今はそのような状況でもない。その間むやみに上がったソウル 江南や京畿(キョンギ)の盆唐(ブンダン)などいわゆるバブル7地域の住居価格が最近特に落ち込んでいるがこれは住居価格の正常化過程としてみるべきだ。もちろん住居価格が短期間に急落するのは望ましくない。だが今のように徐々に下落するのは経済全般のためにも悪いことではない。当分このような状況を容認する必要がある。
 政府が意図する取り引きの活性化がどの程度なしとげられるかも疑問だ。大方の国民は今の住宅価格もとても高いと見ている。今後も下落が続くと見込んでいる。さらに経済状況も良くなくて家肉余力も大きくない。 このような状況で住宅取り引きの活性化は期待し難い。結局投機的な需要を呼び込んで住居価格の下落を何とか止めて取り引きを活性化するということだが、これは危険な賭けだ。このような試みが成功すれば不動産投機がぶり返し、失敗すれば政府の政策信頼度だけが落ちる。
 今回の対策の最大の恩恵者は江南3区に多数の住宅をもったりしている資産家だ。政府が意図した住居価格の下落防止と住宅取り引きの活性化の見込みは不透明なのに対して、江南の資産家は各種の不動産税の恩恵を享受できることがはっきりした。江南3区の3戸所有者に対する譲渡税が低くなって、賃貸事業用の住宅を購入する場合、取得税減免の恩恵も受けられるようになる。今回の対策を‘大金持ち’のための完成版と呼ぶ理由だ。
原文: 訳T.W