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[社説]南北とも度を超えた口げんかは自制を

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/529551.html原文入力:2012/04/23 19:12(1385字)
 南北の感情的争いが尋常でない。北の朝鮮人民軍の最高司令部の特別作戦行動小組(訳注・グループ)はついに昨日、宣戦布告とかわらない南向けの‘通告’をした。  "特別行動の対象は主犯である李明博・逆賊輩党であり公正な世論の大黒柱を掃いている保守報道機関を含んだネズミ野郎輩"として、"特別行動はひとまず開始されれば3~4分、いやそれよりさらに短い間に今まであったことのない特異な手段と独自の方法ですべてのネズミ野郎どもと挑発の根源をまたたくまに焦土化してしまうことになるはず" と威嚇した。口先だけではないとも述べた。背筋が寒くなるという以外に言いようのない話だ。北に冷静と自制を厳重に促す。
 北の今回の言葉は以前よりはるかに敵対感が強烈で、行動のすべも具体的だ。これまでは李明博政権を示して‘逆徒’‘逆賊輩党’として表現するにとどめていたが、21日の祖国平和統一委員会のスポークスマン談話の際に初めて‘李明博 ネズミ野郎’というののしりの言葉を使った。昨日出された特別作戦の行動小組の通告でも4回も‘ネズミ野郎’という表現をした。いくら敵対的といっても国家元首に対する度を超したののしりの表現だ。通告を朝鮮人民軍最高司令部でなくその傘下の特別作戦の行動小組として出した点も異例だ。名前からみて作戦実行部隊と考えられる。言葉だけでなく実行に移すという意思を誇示したと見られる。
 北がこのように強硬な表現を使うのは、4・11党代表者会→ 4・13ロケット発射および最高人民会議→ 4・15太陽節軍事パレードを通じて、名実共に党・政・軍の最高指導者として登板した金正恩の労働党第1秘書体制を広く公告しようとする気持ちが働いたのだろう。しかもスタート時から4・13ロケット発射失敗と米国との2・29合意破棄、これにともなう国際圧力の強化で窮地に追い込まれている状態であった。これに加えて最近、李明博大統領がラジオ演説(16日)や国防研究所訪問およびミサイル動画公開(19日)、統一教育院最高位課程特別講義(20日)で、北を刺激する発言をして感情が切れたと見られる。
 政府は北が具体的に行動計画を明らかにした以上、徹底した警戒と対応体制を整えて不幸なことが起きないように万全を期さねばならないはずだ。また、李大統領をはじめとする当局も北を刺激する発言をあからさまにしないように慎重に対応しなければならない。北も感情的な対応が体制の安定や南北関係発展に全く役に立たないということを理解しなければならない。南北ともに経験した、口げんかが物理的な衝突につながることのないように自制することを望む。
原文: 訳T.W