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[朝の陽射し] 検察高位層の独特の精神世界/キム・イテク

原文入力:2011/12/23 15:19(1863字)


時代錯誤的上告理由書が出てきて
同窓会報の文まで検閲することは
それほど驚くことでもない


←6日午後、ソウル、瑞草洞(ソチョドン)、ソウル中央地検のガラス戸に検察職員が映っている。 シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr


  金正日委員長死亡政局がすべてのイシューを覆っている。それだけにより一層この問題だけは確かめて行かなければならない。


  ある検事が民青学連事件再審公判控訴審で無罪が宣告されたことに反発して、上告理由書を最高裁に出した。ところでその内容が・・・。

  "大統領緊急措置は比較的短期間にわたり施行され…直ちに解除された点、当時、大統領は危機状況克服のためにやむをえず基本権を制限するとの認識で緊急措置を発令した点などを考慮する時…緊急措置が維新憲法によっているために違憲だと断定するには無理がある。" ここまでは当時の時代状況を強調して論理が飛躍した場合もあるだろうとした。


  ところでそうではなかった。"被告人ないしは民青学連関連者に対する苛酷行為は…司法警察官段階の調査ないしは検察官段階での調査過程でなされたものであり、公判過程でもなされたという事実に対してはどの資料からもその根拠を探すことはできない" として説明まで付け加えた。 "民青学連事件関連者が捜査機関で苛酷な行為に遭ったという内容の文書は存在するが…被告人の法廷陳述内容を聴いて捜査官が被告人を連行し中央情報部でその陳述内容を翻意しろと注文したとか、その公判期日前に被告人に対して苛酷行為をして調書を否認できなくさせたという趣旨の調査内容は全く無い" として当時の有罪判決が誤りではないとした。


  30余年前、維新時代の検事たちが言いそうな主張だ。拷問で捏造された事件に対する歴史的断罪とともに、再審法廷で無罪に続く国家の賠償判決まで続々と下されている状況で、どうしてこれほどあきれる主張が出てくるのか。どうした所以なのか知りたくて、上告理由書を書いたソウル高等検察庁検事に電話したところ「話すことは何も無い」という言葉だけを繰り返した。


  この間、検察は類似事件で控訴を放棄してきたが、ハン・ソンデ前ソウル中央地検長の時に初めて控訴したという。現職検察総長であるので彼の意中が反映されたと見るほかはない。 独裁政権に奉仕してきた過去史を一度も謝らなかった検察らしく、過去の恥部までも絶対に自分の口では認定できないという傲慢さが感じられる。


  最近、同窓会報から依頼を受けて短い文を一つ書いた。検察不正が溢れでる現実に言及して、先日読んだ本の話を一部紹介した。 "スポンサーが用意したルームサロンでぼ酒席で、それこそ衆人環視下で金をかけてホステスと赤面するような性行為を行った人が当時現職検事だったというから驚くべきことだった。知り合いの検事に尋ねたところ、本の内容は信じ難く、たとえそれが事実でもこの頃はそのようなスポンサー文化自体がないといった。信じたかった。それでしばらくして出版社に電話をかけてみた。ところが誰も本の内容が事実と違うという理由で民刑事上の問題提起をしてきた人はいなかったと言った…"


  あらましこのような内容だ。‘色検’という単語まで出てくるのに、それほど特別なことでもないのに掲載はされなかった。 法務長官出身の同門会長が同窓会報に不適切だとし除けと言ったという。検事出身の同窓が不快に思うかもしれないという判断もあったが、ひょっとすると‘不滅の神聖家族’になってしまった‘検察ファミリー’どうしの保護本能が作用したことではあるまいか。


←キム・イテク論説委員


  何年か前、スポンサー疑惑で検察総長候補者が落馬したが、最近では直前検察総長が在任中に業者と会っていた事実が明らかになった。記者たちに会っては「私が頭にきて(総長の時のことを)みなばらしてしまえば国政が運営できなくなる」と脅迫性発言までしたという。恐らく前法務長官が示したように、現職検察の‘ファミリー’精神を期待したのかもしれない。彼らのこのような精神世界に照らしてみれば、時代錯誤的上告理由書が出てくることもそれほど驚くにはあたらない。 キム・イテク論説委員 rikim@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/511418.html 訳J.S