原文入力:2011/11/28 08:27(1085字)
昨年、天安艦沈没事件で懲戒を受けたキム・ドンシク前海軍2艦隊司令官が海軍指揮部の職務を新しく受けた。 やはり天安艦事件で懲戒を受けたキム・ハクチュ前合同参謀作戦部長も最近中将に昇進した。 当時天安艦の艦長と海軍元隊長は懲戒猶予程度で終わった。 将兵46人が一度に水葬された途方もないむごたらしい事態にあってもまともに責任を負う指揮部の要人が一人もないあきれたことが今大韓民国国軍で起きている。
天安艦事件の原因についてはまだ論議が払拭されていない。 しかし外部の要因が何であろうとも天安艦沈没は警戒の失敗から始まった惨劇であることは明らかだ。 海上と水中の威嚇要因を哨戒して他の艦船の安全を保障しなければならない哨戒艦が自身を保護するための最小限の対応さえできなかったからだ。 事件後、監査院は25人の指揮官・参謀部の人々に対して戦闘準備不足と虚偽報告などを理由に懲戒を要求した。 粗末な対応の責任を問い、今後の警戒のための最小限の措置であった。
戦闘に失敗した指揮官は許しても警戒に失敗した指揮官は許さないものだ。 実際戦闘状況では力量により勝つ事も負けることもありえるが、警戒に失敗すればすべての戦力がなすすべもなく、壊滅されることがありえるためだ。 過去に大スパイ警戒網がかいくぐられたという理由で重懲戒を受けて軍門を離れた野戦部隊指揮官は一人や二人でない。 天安艦惨劇に関連した人物を次々に復権させる軍の処置は前例に照らしてみてもとうてい納得しがたい。
その背景を推察できないわけではない。 政府は昨年の地方選挙時に天安艦事件をあおって世論集めに使おうとする目論見が垣間見られた。 これに伴い、事件犠牲者らを英雄として大きく取り上げる一方で指揮責任を問いつめれば矛盾する感じを受けたのではないだろうか。 実に穏当でない処置だ。 軍の要人に信賞必罰の原則でなく政治的意味合いを前面に出す形であるためだ。
現政権は安保と防衛態勢をとりわけ強調する。 しかし本当に厳正でなければならない懲戒問題を原則なしに処理するならばどうなるだろうか。 お目こぼし人事を通じて一時的に軍の一部の不満をなだめられるかも知れない。 しかし軍の規律と戦力はこれで根元から蝕まれ始めるだろう。 軍に対する国民の信頼が揺れるのは、さらに言うまでもない。
原文: 訳J.S